青学大が投手戦を制し、中大に先勝。開幕2戦目から5連勝。今秋のドラフト候補に挙がる最速153キロ右腕・下村海翔投手(4年=九州国際大付)は、大学初完封で今季3勝目を挙げた。

3試合目の登板で「今日は前に比べて状態は良くなかった」と振り返ったが、「ゾーンの中で勝負することだけを考えて投げました」と、丁寧に投げ込み4安打7奪三振。2回の初谷健心内野手(2年=関東一)の右越えソロで挙げた1点を、守り切った。

どんなときも「諦めない気持ちが」が下村を支えている。1年春にリーグ戦デビューを果たすも、その年の12月10日、右肘のクリーニング手術と軟骨再生手術を受けた。術後の経過が思わしくなく、半年の予定が完治まで1年を要した。「自分なら這い上がれると思っていた」。ボールは握れなくてもできることはある。走り込みにトレーニングと、1人で追い込み練習に励んだ。安藤寧則監督(45)は「本当にコツコツ練習していた。今年の活躍を見ていると、その時のことが思い出されて。結果につながって本当によかった」と、目を潤ませた。

下村は「自分のやってきたことは間違いじゃなかった。あの期間があったから今の自分がある。これからも勝ちを重ねられるように頑張っていこうと思います」と、しっかりと前を向いた。下村の諦めない気持ちがチームを優勝へ導く。