首位北九大が福岡大を下し、21年秋以来9度目の優勝に王手をかけた。8回に勝ち越し、連戦を見据えてエースを温存させて3投手リレーで逃げ切った。残りは2戦。17日に7勝1敗の北九大が福岡大に連勝し、6勝2敗の2位西南大が敗れると、20日の最終戦を残して優勝が決まる。

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北九大が優勝への執念で、春6連覇を狙うV候補の福岡大に競り勝った。文武両道の市立大で、抜きんでた選手はいない。山本浩二監督(43)から「内容がどうであれ、勝たないといけない」と鼓舞され、気迫で上回った。同点の8回2死一、二塁。3番宮本剛弥内野手(3年=防府商工)が「勝負に集中して、周りが見えていなかった」という状態で、内角低め直球を仕留めて左越えへ2点二塁打。勢いは止まらず9回も2点を加え、12安打9得点で打ち勝った。

4回に適時失策などで3点を先制され、5得点で逆転した直後の6回に同点とされた。それでも「ベンチは声が出て雰囲気は良かった」と宮本。14日に登板したエース川崎大輝投手(4年=佐賀北)に頼らない3投手のリレーので逆境をはね返した。

優勝に王手をかけ、山本監督は「1敗で逃げ切ることしか考えていない」と、自力での3季ぶりVをにらんだ。【菊川光一】

○…西南大は転優勝へ望みをつないだ。4回まで毎回得点も、4回に5失点で同点に。東和樹監督(49)が「ここで勝負。最終回のつもりで行くぞ」とハッパをかけた6回に3得点で勝ち越した。昨秋王者の九国大との2連戦に先勝し、2敗をキープ。北九大が負けなければ優勝はないが「一戦必勝。(残り)全勝されたら仕方ない」と前を向いた。

○…福岡大は3敗目を喫して、春秋通算61度目の優勝は厳しくなった。勝てば首位浮上の可能性もあったが、わずか5安打と打線は湿った。堀壮太監督(41)は「力負け。北九大さんに、いい野球をされました」とガックリ。5投手をつぎ込む継投も実らず「私のミスです」と悔いた。北九大との第2戦へ「(優勝の)可能性を信じて、全力を出すだけです」と切り替えた。