阪神才木浩人投手(24)の降板時、今季最多4万2600人の観客から自然と拍手が湧き起こった。4月30日ヤクルト戦以来の1軍マウンドに上がり、開幕3戦目だった4月2日DeNA戦以来49日ぶりの白星をゲット。復調を強烈に印象づけた。

初回から19球のうち16球に直球を選び、1、2番には変化球なし。2番中村貴には10球粘られながらも154キロ直球で押し切った。エラーから1失点したが、7回途中を被安打5で自責点ゼロ。勝負球フォークもさえ、7奪三振で今季2勝目を手にした。

「ここからノンストップで最後まで走り抜けたい。最後は打たれたけど、これがないように。しっかりゼロで抑えられるように頑張っていきたい」

お立ち台では超満員のファンに今後の“不休”を誓った。

開幕ローテ入りを果たした今季。だが5試合で1勝3敗と白星に結びつかず、1日に出場選手登録を抹消された。疲労から頭の突っ込みや左肩の開きなど、フォームに乱れがあったと分析。ファームでは新たな事には取り組まず、疲労回復を最優先した。

「やりすぎる時がある」というトレーニングにもブレーキをかけた。「去年とは状況がちょっと違う。今はもっと上を見ないといけない。早く1軍にという気持ちもあるけど、焦るよりも自分の状態を上げられるように」。冷静な判断が復調星につながった。

前日20日同戦の勝利後には、岡田監督が「別に負けてもいいんやけどな、明日」とコメント。知らなかったという才木は「そうなんですか? 勝っちゃいましたけど!?」といたずらっぽく笑った。

「別に全然(気負いは)ない。やることが分かっていれば、何かあっても気持ち的に変わることはない。自分のやることをやっていくだけです」

頼もしい右腕の帰還で、虎の勢いがますます増しそうだ。【波部俊之介】

○…3番手岩貞がゼロのバトンをつないだ。1点差に迫られた8回に登板。先頭上本に左前打を許したが、続く菊池を空振り三振。最後は代打堂林を直球で三塁併殺に仕留めた。7ホールド目を記録した左腕は「才木がナイスピッチングをして、野手もしっかり守って」と野手の守備にも感謝。「結果的にゼロで抑えられて良かった」と笑顔だった。

○…岩崎がクリーンアップ3人をピシャリで6セーブ目を記録した。3点リードの9回に登板。先頭秋山を低めの直球で左飛に仕留めると、マクブルームも直球で詰まらせて三ゴロ。最後も西川を直球で遊ゴロに打ち取った。登板15試合で防御率0・64と安定感抜群。試合後は「良かったと思います」と笑顔で振り返った。

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