日本ハムは今季5度目のサヨナラ負けを喫した。1点リードの9回に新庄剛志監督(51)が繰り出した“ダブルリクエスト”も実らず、最下位楽天に同点に追い付かれ、延長戦で力尽きた。2カード連続の負け越しで借金6となり、順位は4位のまま30日からは交流戦が開幕。リーグ最下位で臨んだ1年前とは違う戦いぶりで上位浮上を目指す。

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悔しい敗戦を受けて、新庄監督は報道陣の前に立ち止まることなく、球場を後にした。球団を通じて残したコメントは「何も言うことはありません」という、ひと言のみだった。

1点リードの9回。守護神の田中正が乱調だった。先頭打者への四球から1死満塁のピンチを背負い、小郷に同点犠飛を浴びた。ここで新庄監督は、際どいタイミングとなった三塁走者の生還についてリクエスト。判定は覆らなかったが、すかさず今度はタッチアップのタイミング(リタッチ)が早いのではないかと再リクエストした。

結果は無情だった。責任審判の有隅球審は「ただいまサードのリタッチについてリクエスト検証いたしましたが、判定はセーフ。映像がなかったので(リクエストの)回数は数えません」とアナウンス。ルールにのっとった措置で仕方ないが、やるせなさが残った。

延長に突入した試合は、同12回に登板したロドリゲスがサヨナラ打を浴び、つかみかけていた白星がスルリと抜けた。

悔しい形で2カード連続の負け越しとなり、快進撃の5月はここに来て小休止となってしまった。ただ、30日からは仕切りなおしにうってつけの交流戦が開幕する。故障者続出ながらチーム状態を上げていった5月は、あと1勝で月間勝ち越しにもなる。まず、本拠地エスコンフィールドで戦うのは、現在10連敗と苦しんでいるヤクルト。それでも昨季までセ連覇中の底力は侮れない。1年前は神宮での交流戦開幕3連戦で2度の延長戦を戦うなど死闘を繰り広げた相手に、新庄監督も試合後に語りたくなるような面白くて勝つ野球を展開し、もう1度、上昇気流に乗る。【木下大輔】

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