もう止まらん! 阪神が巨人相手に甲子園では5年ぶりの同一カード3連勝を飾った。

今季初の8連勝で、貯金は17。同点に追い付かれた直後の7回に巨人のリリーフ陣を攻略し、ノイジー、大山の連続適時打で3点を奪った。7回に得点を奪えば9連勝。「7回の虎」が、接戦を終盤でことごとくものにしている。交流戦開始時点での2位DeNAとのゲーム差6は、05年の導入以降球団では最大差。セ界敵無しの状態で30日から交流戦に突入する。

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「7回の虎」が牙をむいた。1-1の同点に追いつかれた直後の7回、先頭の8番木浪が岡田監督の「絶対、塁に出ろ!」指令に応え中前打で出塁。続投と決めていた9番才木のバントは捕手前に失敗も、捕手大城卓の二塁悪送球で無死一、二塁とチャンスを拡大した。1死満塁とし、ノイジーが中前へ勝ち越し適時打、続く大山も左翼線へ2点適時二塁打を放ち、この回3点を奪い試合を決めた。

巨人も3カード連続カード勝ち越しと勢いよく甲子園に乗り込んできた。岡田監督は「まあ、勢いだけじゃ勝たれへんで。勢いよかって勝つんじゃないわ」と、3戦ともわずかな隙を突き、いずれも7回に得点を奪った。

「先発も疲れてくる。ブルペン陣も勝ちパターンで、そんないい投手は、あの7回にはいけないとかな。いろいろ。だから7回って何かが起きるんじゃないかな」。この日も回またぎの田中千、高梨を攻め、三上から連続適時打。26日の1戦目は7回から登板した鈴木康、27日の2戦目は先発グリフィンをKOし、2番手大江から追加点を奪っている。今季189得点のうち7回は23点。最多の5回25点につぐ2番目に点を稼いでいる。7回に得点すれば9連勝中だ。

独走態勢を作り交流戦に向かう。31勝14敗1分け、5月は18勝4敗に指揮官は「全然できすぎ、できすぎ」と素直に快進撃を喜んだ。「先発も頑張る。打線もうまく点が取れる。バント決める時は決めたり。普通のセオリー通りに。当たり前のことを当たり前にできてるっていうことやろ」と、会心の岡田野球に白い歯がこぼれる。

貯金17、2位DeNAとは6差で交流戦に入る。「相手のデータもないと思うので、きっちりとした野球をやっていけばいい」と、スタイルを変えずに守りから接戦をものにしていく。18年ぶりの「アレ(=優勝)」へ、勢いではなく確実に1歩ずつ近づいていっている。【石橋隆雄】

▼阪神の巨人戦同一カード3連戦3連勝は、22年8月19~21日(東京ドーム)以来。甲子園では、18年5月25~27日以来、5年ぶり。

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