得意の交流戦でアレ固めや! 「日本生命セ・パ交流戦」が30日に開幕し、貯金17で8連勝中の首位阪神はパ5位の西武と敵地ベルーナドームで対戦する。

岡田彰布監督(65)は「オレ交流戦100勝一番乗りやんか。監督で」とオリックスでの優勝など歴代2位107勝の自信満々。高卒2年目の前川右京外野手(20)をプロ初昇格即DHで起用するなど、今回の交流戦の必勝法を解説。史上初となる両リーグ監督での交流戦Vで独走態勢を加速させる。

    ◇    ◇    ◇

敵地へ向かう新大阪駅で岡田監督はニヤリと笑った。「だってオレ、交流戦100勝一番乗りやんか。監督で」。歴代2位の107勝。オリックス監督1年目に優勝するなど、過去7度指揮を執った交流戦に揺るぎない自信を見せた。

ブレない必勝法も明かした。「シンプルにやることよ。自分らの戦いをまず変えんことやな」。パの本拠地では指名打者が使える。早速30日の西武戦では右下手投げの与座に対し、高卒2年目、とっておきの左のスラッガー前川を刺客に指名。「そのために上げてるんやから」と1軍デビュー戦で先発起用するスペシャルプランを明かした。DHはミエセス、渡辺諒と合わせて3人を配備し、名だたるパの好投手を打ち砕く。

打順も大幅には変えない。「9番には右打者を挟むよ。捕手な。投手と一緒や。捕手にはバントや」。打率3割1分でリーグ8位の好調木浪は8番で不動。木浪を9番にして1番近本、2番中野と3人左が並ぶことは避け、これまで通り得点圏に進めて1、2番でかえす戦いを続ける。

先も見据えている。交流戦最初の4カードのうち3カードがパ本拠地で指名打者を使える。代打を使う機会も減るため、左右の代打の切り札に指名してきた糸原、原口を2軍へ降格させた。「結果も出てないし、ちょっとええ期間やしな。打席に立たそうかなと最初から思っとったんよ」。2軍で打席を重ね、状態を上げさせて交流戦終盤か、再開リーグ戦で再招集するプランだ。2試合出場にとどまる第3捕手の長坂も2軍に行かせ、夏場の先発不足に備えて先発に転向させている富田やビーズリーら今後の1軍戦力のチェック役を任せるという。余裕のなせる技か、先の先も見据え、高卒2年目の19歳捕手中川を1軍に初招集。「試合中でもブルペン陣のボールをどんどん受けさす」と、将来の正捕手候補に経験を積ませることも明かした。

チームは貯金17で2位DeNAに6ゲーム差をつけて首位を快走する。交流戦は勝率5割で十分かと問われると首を振った。「5割はあかんわ。前に比べたらパ・リーグもそんな断トツ、強ないよ、はっきり言うて。差はない。セ・リーグが勝ち越すんじゃないかな」。岡田予想はセが優勢。貪欲にパとの18試合でも貯金を増やし、無双の独走態勢を固める。【石橋隆雄】

◆岡田監督と交流戦 通算 阪神(05~08年)とオリックス(10~12年)の7年間で192試合を指揮し、107勝79敗6分け。勝率5割7分5厘は、100試合以上で交流戦を指揮した15監督中4位だ((1)秋山幸二6割4分2厘(2)工藤公康6割3分4厘(3)王貞治5割8分)。

導入初年度の05年は阪神監督として、21勝13敗2分けの6割1分8厘(12球団中3位)。リーグ戦中断時の1位中日との5ゲーム差を覆して、交流戦終了時点でリーグ首位に立ち、優勝への重要なステップとなった。08年は交流戦中盤から首位に立ったが、選手らが「優勝」を口にし始め、交流戦は2位に終わった。以来「優勝」を禁句にした。オリックス監督1年目の10年の交流戦では、優勝を「アレ」と言い表す徹底ぶり。16勝8敗の6割6分7厘でチーム初Vに導いた。

◆交流戦での岡田監督と原監督 原監督は巨人のみで歴代1位の通算155勝、岡田監督は阪神とオリックスで同2位の107勝。現状では3桁勝利はこの2人だけだ。通算勝率は岡田監督が5割7分5厘で、原監督の5割3分1厘を上回っている。岡田監督はオリックスを率いていた12年5月22日阪神戦で、史上初の交流戦100勝を達成。原監督は13年6月5日の日本ハム戦で2人目となった。なお両者は10~12年にオリックスと巨人の監督として12試合対戦。6勝6敗だった。

【関連記事】阪神ニュース一覧