逆輸入ルーキーの歴史的な大活躍で、新庄日本ハムが「日本生命セ・パ交流戦」の単独首位に躍り出た。

米球界からドラフト3位で入団した加藤豪将内野手(28)がヤクルト戦で、来日1号を含む2打席連発。3回の第2打席でメジャーでもなかった1発を放つと、5回の第3打席でも同じような弾道で右中間へ運んだ。自称“担当スカウト”の新庄剛志監督(51)も大喜び。12球団唯一の交流戦2連勝スタートで、上昇気流に乗る。

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打席でつぶやく言葉は、いつも「I'm invincible(オレは無敵)」だ。日本ハムのルーキー加藤豪が、“担当スカウト”もビックリの大仕事をやってのけた。2-1と1点返された直後の3回、ヤクルト市川から来日初本塁打を右中間席へ放り込むと、5回にも同じような弾道でスタンドイン。1回1死満塁で二ゴロの間に先制V打点も挙げたが、「タイミングが合わなかった」と悔やんでいた。足を上げる打撃フォームから、3回の第2打席以降はノーステップでコンタクト重視。経験値の高さを発揮し「人生初」という2打席連発につなげた。

94年生まれの「大谷世代」。波瀾(はらん)万丈の野球人生を歩み、新人とはいえ立派なアラサーだ。米球界から一転、ルーツのある日本での活躍を目指したが、3月に右脇腹を痛めて開幕メンバー入りを逃した。苦労人の2発を一番喜んだのは新庄監督で、試合後、開口一番に「加藤豪将君のスカウトは誰だっけ?」と言いながら、誇らしげに自分自身を指さした。昨年の夏ごろから、米球界でプレーする加藤豪にラブコールを送っていただけに、「びっくり、びっくり」と大喜び。「あとはセカンドの練習をたくさんして、僅差でも守備固めで代えられない選手になって欲しい」と期待した。

チームは交流戦2連勝。まだ2試合目ながら、単独首位に立った。新庄監督は「(優勝賞金)3000万円も出るの!? 知らなかった。そりゃあ、裏方さんのために取りたい。『あれあれ? いい勝ち方しているね。乗って行こうよ』っていう雰囲気を作っていきたい」と、V狙いに照準を定めた。【中島宙恵】