やはりベルーナドームは鬼門なのか。阪神西勇輝投手(32)がまたも西武の本拠地で勝てなかった。7回途中8安打4失点(自責点3)で4敗目。「何とか抑えたい、何とか抑えたいという気持ちの連続だった。僕の粘り負けですよね」。チームの連勝を9で止めてしまい、苦い夜になった。

ベルーナドームはオリックス時代から先発4試合で未勝利。阪神移籍後も昨年まで4年間登板がなく、この日を迎えた。だが、今春のオープン戦では同球場で5回を1安打無失点に抑えており、プラス思考で西武打線に立ち向かった。「今年のオープン戦も、甲子園で投げた去年の交流戦でもイメージは悪くない。いつも通り投げられれば」。だが、この日は活発だった打線が沈黙し、援護に恵まれない不運もあった。

栗山に浴びた“打ち直し弾“も痛かった。1点ビハインドの4回先頭。2球目の134キロのスライダーを右翼ポール際に特大ファウルを飛ばされた。ほっとしたのもつかの間、直後の3球目、136キロのスライダーを今度はフェアゾーンの右翼ポール際に運ばれた。同じ球種でそっくりな放物線を描かれた「打ち直し弾」で2点差に拡大。7回にも2点を失い、力尽きた。

勝てば未登板のエスコンフィールドを除くセパ12球団の本拠地勝利だったが、通算100敗目(112勝)を食らった。だが、4試合連続クオリティースタート(6回以上自責3以内)で先発の役割は果たした。岡田監督は「そうやなあ、2点じゃのう。2点でいったらなあ、ちょっと分からんかったと思うけどなあ」と振り返った。

背番号16も満足していなかった。「全体的に自分の試合に対してリズムがきていない。こういう経験もずっとしてきたけど、チームの流れがいい時に、自分の苦しい展開が多い。もう1個、抜けていい流れに自分も加われるようにしていきたい」。表情を引き締め、次回快投を誓った。【三宅ひとみ】

▼西勇はベルーナドームでの初勝利はならなかった。オリックス時代の10年6月25日に救援で初登板。11年7月31日も救援で登板も、6回に逆転を許し初黒星。2度目の先発13年7月26日には、6回10安打5失点。以来、今回も含めてベルーナドームでの先発4戦ですべて敗戦投手となり、通算5敗目。通算防御率も6・19と苦しんでいる。

▼通算100敗=西勇(阪神) 31日の西武2回戦(ベルーナドーム)で今季4敗目を喫して記録。プロ野球122人目。初黒星はオリックス時代の11年5月15日の日本ハム8回戦(函館)。