ヤクルトが44日ぶりの3連勝を飾った。

5月の12連敗から抜けだし6カードぶりの勝ち越し。初回の2点適時打と好リードでお立ち台に上がった中村悠平捕手(32)は「5月は負けすぎた。逆襲の6月にしたい」と神宮の青空の下、宣言した。

試合を決めたのは主砲村上だった。1回1死一、二塁で楽天先発荘司の150キロ直球を中前に運ぶ先制決勝打。「制球に苦しんでいたので甘い球を狙っていった」と計算通りだった。決勝打は12球団トップの9本目となった。

1日の日本ハム戦(エスコンフィールド)で12連敗を止めたのも4番のバット。6月に入り打率も3割3分3厘と復調しつつあるが「もうちょっと打てます。まだまだです」と当然だが満足はしていない。高津監督は「先に4番が打って点を取ることは、1点以上に意味のある1点かもしれない」と村上への期待の高さを示した。

チームは5日ぶりに最下位脱出。6月に入り負けなしで、高津監督は「たまたまではないでしょう。やっぱり先発がこれだけゲームをつくると、こういう結果、展開になることは間違いない」と確信めいた。

6日から始まるビジター6連戦へ「指名打者のことを考えながら、うまくチームを回していけたら」。12連敗を止めた試合は“代打の神様”川端慎吾内野手(35)を3番DHに置いた。前日とこの日の楽天戦では村上の前に走者をためる意図で1番山田哲人内野手(30)、3番青木宣親外野手(41)という打順を組んだ。12連敗という泥沼を経験した指揮官の思考は既に「逆襲の6月」へと切り替わった。【三須一紀】