令和初の3冠王、ヤクルト村上宗隆内野手(23)がまた1つ歴史に名を刻んだ。7月は7発と勢いに乗ったが、今月は7試合目にしての初アーチで球団史上5人目となる5年連続の20号本塁打を達成。夏の風物詩「村神様の神宮花火大会」が幕を開けた。

3-3の同点で迎えた3回先頭。フルカウントから広島九里の126キロスライダーを大きな放物線で右翼席へ運んだ。「良いホームランが打てた」。神宮の夜空に高々と打ち上がった一時勝ち越しとなる20号ソロを、燕党は大歓声で迎え入れた。

ヤクルトの5年連続20本塁打は01~07年ラミレス、88~93年池山、14~19年山田、90~94年広沢に次いで5人目。それを伝え聞いても「もっともっと打つことを目指しているので」と、満足とはほど遠いトーン。昨季56号を放った男は、先を見据えている。

8月2、3日の巨人戦(東京ドーム)。世界一に輝いたWBCから「師匠」と呼んで慕う巨人岡本和に、2試合連続のマルチ本塁打を見せつけられた。「僕は僕なので」とあえて強い意識はしないが、11本差をつけられている本塁打ランキングで「岡本のところを狙って行くか」と問われ「そうですね。頑張ります」と力強く言った。

猛暑が続く日本の夏。「しっかり寝て、食べて、体のケアをしてます」と万全を維持している。昨季まで8月通算33本塁打の“花火師”が、アーチ量産の号砲を鳴らした。【三須一紀】

○…キャプテン山田が試合を決めた。4-4の同点で迎えた7回1死二塁、広島ターリーから左翼線へ決勝適時二塁打を放った。「ファーストストライクから球種を問わず振っていこうと思った」と2球目を捉えた。8月に入っても5位という位置にいるが「やっぱり何が起こるか分からないのが野球という世界。優勝を目指して1戦1戦勝ちにこだわる」と力強く語った。