関大はエース左腕、金丸夢斗投手(3年=神港橘)の11奪三振完封で、初戦を白星で飾った。
初回は先頭からの2安打と四球で1死満塁のピンチを招いたが、ギアを上げて2者連続の空振り三振。最後は149キロの直球でねじ伏せた。「回を重ねるたびに感覚を取り戻せた。最初は緊張して良くなかったけど、修正できた」。9安打を浴び、5度先頭打者を出しながら要所を抑えた。112球で同大を封じ、7回に敵失で挙げた1点を守り抜いた。それでもエースらしく「課題は残るのでこれからの試合ではなくしていけるようにしたいと思います」と満足しなかった。
春季リーグ戦では右膝を痛め、優勝争いの中で無念の途中離脱。その後は1カ所に負担がかからないよう、体の芯から力を発揮できるようトレーニングを変更した。夏のオープン戦では自己最速を1キロ更新する153キロを記録。進化を遂げて秋の開幕を迎えた。試合後は有馬諒捕手(4年=近江)と初回から投球を振り返り、次回登板に備えた。
早瀬万豊(かずとよ)監督(65)が今季限りで退任する。10年を節目に退く指揮官に対し、金丸は「自分たちができるものは日本一になることかなと思うので、チーム一丸となって監督を最後、日本一に」と花道を飾ることを誓った。【村松万里子】