オリックスが2位ロッテとの直接対決を制して、3年連続パ・リーグ優勝を果たした。3連覇は「がんばろうKOBE」を合言葉に2連覇した95、96年を超えて、オリックスとしては初めてだ。

2点差の7回に打者11人で一挙6点を奪って逆転に成功した。地元での胴上げとなり、満員のファンに見守られながら中嶋聡監督(54)は5度宙を舞った。

ホームでの胴上げ。前日19日の試合後に、「勝ったら決まるので、マジック1のようなもの。しっかり決めたいと思います」と優勝宣言していた。この言葉を思い出しながら、優勝インタビューで「7回まではさすがにうそついたかなと思ったが、選手が逆転してくれた」と笑わせた。

パ・リーグの3連覇は90年代の西武5連覇までさかのぼるが、中嶋監督は「とてつもない数字だが、チャレンジできるチームだと思う」と意欲を燃やした。

昨季は1軍登板のなかった山下舜平大投手(21)を開幕投手に抜てき。山下に勝ち星こそつかなかったが、延長戦で宗佑磨内野手(27)に決勝ソロが飛び出して2年連続の開幕星をつかんだ。

エース山本由伸投手(25)もより存在感を大きくした。WBC戦士が開幕から不調が多かった中、白星を積み重ねた。9月9日ロッテ戦(ZOZOマリン)では自身2度目のノーヒットノーランを達成。2年連続は戦後初の偉業。NPB史上初の2年連続投手4冠をさらに更新する3年連続を目前に控える。

昨オフにFAで加入した森友哉捕手(28)も攻守に貢献。捕手としては若月健矢捕手(27)と投手陣を支えた。バットではリーグトップの勝利打点を稼ぎ、本塁打と打点は19日時点でチームトップ。入れ替わりでチームを去った吉田正尚(現レッドソックス)の穴を埋めた。

野手陣では頓宮裕真捕手(26)が主に一塁を守り、バットでは3割超えで首位打者争いを繰り広げている。クリーンアップには欠かせない存在だ。杉本裕太郎外野手(32)も3度の出場選手登録抹消がありながら持ち前の長打力が光る。

中嶋聡監督(54)は、今季も打順を固定しないフレキシブル打線で個々の調子を見極めた。オリックスでは、阪急からオリックスとなった1989年(平元)以降で3連覇は初めて。中嶋監督がレギュラーとして導いた95、96年の2連覇を超える。阪急時代でも西本幸雄監督時代の67~69年の3連覇、上田利治監督時代の75~78年の4連覇以来、球団3度目の3連覇だ。

21年は全日程終了後に優勝が決まり無観客の京セラドーム大阪で。22年は敵地・楽天戦で勝利して胴上げ。3連覇の今年は京セラドーム大阪で地元ファンの前で優勝を決めた。

【動画】大歓声の中、オリックス中嶋聡監督5回宙を舞う 優勝の立役者たちが京セラドームに集結