阪神大竹耕太郎投手(28)が8回3失点で12勝目を挙げ、最高勝率のタイトルへ望みをつなげた。
村上、塩見に緩いチェンジアップを被弾したが「本塁打を怖がってボール、ボールになりたくなかった。球場が狭く、ホームランバッターが多い中でストライクゾーンで勝負することは意識していました」。この日も果敢に100キロ台のチェンジアップ、カーブを投げ込んだ。
123球はプロ入り後最多の球数だ。「7回で代わるかと聞かれた。もう1回いって新しい配球とか試したかったので、行かしてください、と」。志願の8回続投だった。岡田監督は6回89球の時点で交代も考えていたが、8番から始まる7回の攻撃で打撃用手袋をはめる姿を見て「うん、えらいなあ。これはいかなしゃあない」と続投を決めた。
次回13勝目を挙げれば、最高勝率タイトルの規定をクリアする。とはいえ、仮に次戦に勝っても13勝2敗で勝率8割6分7厘。現在1位のDeNA東は15勝2敗で8割8分2厘だ。ライバルがあと1敗しない限りは上回ることはできない。指揮官は「まあ相手次第やけどな。それも見ながら。次の登板、まだ決めてないよ。もうな、最後でもいいし」と様子を見る考えだ。
たとえタイトル獲得は難しくても、現役ドラフトで新加入して10個の貯金をつくった事実には価値がある。「もっともっと勝てるように、日本一になれるように」。大竹は最後、ファンにポストシーズンでの白星も約束した。【石橋隆雄】