猛虎の4番が「岡田のカツ」に1発回答だ。阪神大山悠輔内野手(28)がヤクルト戦の4回に決勝の16号2ランを放った。
前日25日には岡田彰布監督(65)から「ひどいな」と打撃内容に苦言を呈されていた。主砲が6試合ぶりのアーチで応え、ここからポストシーズンに向け、じっくりと調子を上げていく。
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1発回答の確信弾に、大山はゆっくりとダイヤモンドを1周した。0-0で迎えた4回1死二塁。「チームを助けられるように、なんとか自分の打撃を、と思って打席に入りました」。フルカウントからヤクルト高橋の真ん中に入った144キロ直球をガツン。左翼席下段へ飛ばす距離128メートル弾で均衡を破った。
「感触も良かった。9月はなかなかチームのために働くことができてなかったので、今日勝てたことが一番かなと思います」
安打は23日ヤクルト戦(神宮)以来、12打席ぶり。18日DeNA戦(甲子園)以来、6試合ぶりの本塁打となった。本拠地で快音を響かせた虎の主砲。今季15度目のV打&73打点に積み上げた。
岡田監督から珍しくカツを入れられていた。24日からの中日2連戦で打線はわずか1得点。4番は2試合で連続無安打だった。指揮官も名指しで「練習の時から全然やろ。大山にしてもな、ひどい」と厳しい言葉を並べていた。
カツにアーチで応えた大山。岡田監督も「ずっと悪くて、今日はフリーバッティングはまだちょっと良かったかなと思った」とほっと一安心。打席内容にも「まあ本当に一振りでね。今日1日、あのスイングだけでしょ? すごく良かったのは。一番いいときに出た」と及第点を与えた。また、前夜のゲキが効果抜群だったかと問われると「それは分からん(笑い)。バッティングコーチが何かやったんやろ」とニヤリと笑った。
背番号3の1発でチームは26イニングぶりの適時打と長いトンネルも抜けた。チャンピオンチームといえども、CSに向けて1試合も無駄にできない。「気を抜いている選手は1人もいない。1試合1試合、自分のやるべきことをしっかりやって臨みたい」と最後まで集中する。
27日の中日戦はレギュラーシーズンの本拠地ラストゲーム。「チーム一丸となって勝ち試合を皆さんに見せれるように頑張ります」と大山。不動の4番が全身全霊をかけて打席に立つ。【三宅ひとみ】