九産大が2位九共大を3-1でで下し、開幕9連勝。1試合を残して、春秋通算単独最多46度目となる2季連続優勝を飾った。プロ志望届けを提出している最速151キロのエース右腕、楠本宏武(ひろむ)投手(4年=鎮西学院)が、7三振を奪う6安打1失点完投で3勝目。春秋通算13勝とし、明治神宮大会(11月15日開幕)の全九州代表を決める九州大学選手権へ弾みをつけた。

楠本がプロ入りアピールの快投で優勝に導いた。

最後の打者に自慢のスライダーで一ゴロを打たせ、ベースカバーで仕留めて右手でガッツポーズ。胴上げ投手となって、球場外で3度宙を舞い「今日は自分1人で決めようと思っていた」と声を弾ませた。

整骨院に通うなど、夏場に見直した体の開き矯正が生きた。「夏が終わり、真っすぐには自信がある。甘くてもファウルやカウントが取れるようになった」といい、春から威力、制球が増した剛球を武器に翻弄(ほんろう)。2回の最速タイ151キロをはじめ、常時140キロ台後半を記録。スライダー、スプリットなど変化球も要所でさえた。

右足首痛の影響で、開幕時は本調子ではなかった。だが、試合を重ねるたびに状態を上げ、大久保哲也監督(61)は「春より状態はいい。一番いい状態」とたたえる投げっぷりだった。明治神宮大会切符がかる全九州大学選手権へ、楠本は「今日よりいい投球をして、明治神宮大会に出たい」と話し、弾みをつけた。

プロ志望届けを提出しており「選ばれるか分からないが、選ばれたら頑張りたい。全国で成長を見せたい」。夢実現へ死力を尽くし、吉報へつなげる。【菊川光一】