日刊スポーツの名物編集委員、寺尾博和が幅広く語るコラム「寺尾で候」を随時お届けします。

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すっかり待ちくたびれたのは、ようやく阪神、オリックスが戦うクライマックスシリーズ(CS)のことだ。両軍がリーグ優勝を決めてから約1カ月間の“空白”は、どう考えてもメリットがあるとは思えない。

できるだけ消化試合を減らしたい経営サイドの思惑は分かる。だが、これだけファンをお待たせしながら、しかも日本シリーズに出場できない事態に陥れば、ペナントレースを戦い抜いた価値は薄れてしまう。

前回に続いてポストシーズン(PS)の話題に触れるが、もはやCSは“曲がり角”にきている。「球界再編」を契機に導入されたイベントでいうなら、今後はセ・パ交流戦の在り方も含めて再考すべきタイミングかもしれない。

ずいぶん前だが、元中日監督で、ゼネラルマネジャーを務めた落合博満に呼び止められた。個室で「おいっ、これでどうだ?」と自らペンをとって優勝決定戦にたどり着くまでの“やぐら”を書き始めた。

落合は「セ・リーグ1位」対「パ・リーグ2位」、「パ・リーグ1位」対「セ・リーグ2位」の、いわゆる“たすき掛け”の7試合制のトーナメント表を書いた。そこに3位チームは入っていなかった。

名監督だった落合も不条理を味わった1人だ。セ・パ両リーグがCS制を同時にスタートさせた07年、2位中日は3位阪神を突破し、リーグ優勝の巨人に3連勝でスイープ。日本シリーズで日本ハムに4勝1敗で日本一に上り詰めた。

また10年は、いわゆる“下克上”にあった。自身3度目のセ・リーグ制覇を果たすが、日本シリーズでパ・リーグ3位のロッテに2勝4敗1分け。「だれのせいでもない。責任を感じるのは監督だけ」と淡々と振り返った。

落合案は、トーナメントを勝ち上がると、再び7試合制で日本一決定戦を行うプランで、それも一考の余地があると意見を交わしたことを覚えている。そこにはできるだけリーグ優勝を尊重する意向が伝わってきたものだ。

これまでにリーグ優勝したチームと、2位以下についたゲーム差に制限をつけ、現在ファイナルステージで1勝のアドバンテージをさらに上積みするルール変更など、さまざまな声が伝わってくる。

プロ野球界は興業として成り立っているからと放置せず、今オフの検討課題として俎上(そじょう)に載せるべきだろう。(敬称略)