CSでは逆転の虎よ-。岡田阪神が「2023JERAクライマックスシリーズ セ」のファイナルステージ第3戦で3連勝(アドバンテージ1勝を含めると4連勝)を決め、9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。同点で迎えた6回、7番坂本誠志郎捕手(29)が2打席連続適時打となる決勝打を決めた。セ・リーグチームのファイナル無敗突破は5チーム目。ファイナルステージでの3試合連続逆転勝ちは両リーグで史上初の快挙だ。あかん、日本シリーズが待ち切れへん!

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3試合連続逆転勝ちで、無傷のファイナルステージ突破を決めた。3戦ともスタメン野手の並びは同じ。先発10勝トリオが試合をつくり、ブルペン陣が踏ん張り、打線は少ないチャンスをモノにした。シーズン同様の「普通の」岡田野球で、高校野球ばりの全員野球でぶつかってきた新井カープをあっさりはね返した。満面の笑みでお立ち台に上がった指揮官は「シーズンよりもすごい歓声、本当にありがとうございます」と満員の虎党に感謝した。

「守りの野球」で突破に導いた。2点リードの8回、1死から上本に三塁線を破られた。セ・リーグ補殺王の左翼ノイジーが低く素早い返球で二塁打にしなかった。続く代打末包の二塁へのライナーには中野がダイビングキャッチ。その後2死一、二塁とピンチが広がったが、最後は代打松山の浅い飛球を右翼森下がスライディングキャッチした。3つの好守で勝利を決定づけ、指揮官は「最後、紙一重のプレーと思うんですけど、守備で最後、一番いいプレーができたと思いますね」と納得顔だ。

遊撃手木浪も初回先頭菊池のライナーに飛びついた。この日は試合前の雨のため、シートノックを行わなかったが、シーズン中から可能な限りノックを続けたレギュラー陣が大舞台で最高の守備を見せた。

得点した3イニングはすべて四球が絡んだ。7回の4点目は森下の押し出し四球だった。広島投手陣はCSでストライク先行を貫いてきた。それでも阪神打線は最後、きわどい球をしっかり見極めた。「今年1年得点したスタイルが、最後の最後で出ましたね」。レギュラーシーズンでリーグトップ494四球を選んだ打線が、普段通りに得点を重ねた。

胴上げもビールかけもなし。あくまでCSは日本シリーズまでの通過点でしかない。「もうひとつ上のステージで勝ち上がれるように頑張ります」。いよいよ85年以来球団2度目、38年ぶりの日本一に挑戦する。【石橋隆雄】

▼阪神がアドバンテージの1勝を含め4勝0敗で、14年以来7度目の日本シリーズ出場を決めた。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで無敗突破は22年ヤクルト以来15度目になる。<1>戦から3連勝の阪神だが、3試合ともスコア0-1から逆転。ファイナルSで3度の逆転勝ちは05年ロッテ(<1>、<2>、<5>戦)に次いで2度目となり、3試合連続は初めてだ。また、阪神のV打は<1>戦が9番の村上、<2>戦が8番の木浪、<3>戦が7番の坂本。ファイナルSで7番以降の打者が3V打は初めてで、下位打線が活躍した阪神が3試合連続逆転でファイナルSを突破した。

【動画】阪神、日本シリーズ進出決定の瞬間!左飛捕ったノイジーは近本にパス、記念球の行方は?