侍ジャパン井端弘和監督(48)の初陣となる「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」(11月16~19日、東京ドーム)の26人の出場選手が24日、発表され、阪神佐藤輝明内野手(24)が選出された。この日、9、10月度の「大樹生命 月間MVP」を受賞した大砲は、チームの日本一からアジア一へと駆け上がる覚悟を示した。阪神勢は森下翔太外野手(23)、桐敷拓馬投手(24)、及川雅貴投手(22)も選出。西武と並び球団別最多となる4選手が日の丸を背負う。

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日本の主軸としての覚悟が、佐藤輝から早くもにじみ出た。昨年11月の「侍ジャパンシリーズ2022」に続き、2度目の代表入り。甲子園での全体練習を終え「日本の中軸は各国から見られていると思うので、頑張ります」と気合を入れた。3月のWBCでは和製スラッガーたちが続々と本塁打を放ち、日本人でも世界に引けを取らないパワーを証明。今度は新時代の長距離砲がアピールする番だ。「しっかりプレーして、いい結果が出れば」と力を込めた。

井端監督は4番に牧を据えることを明言。同学年の盟友の前か、後ろか。いずれにしても、今季24本塁打のパワーでクリーンアップ筆頭候補となる。「同級生で、すごくいい選手がいてくれるのはチームとしても心強い」と牧との共闘を宣言。シーズン通り5番で起用されれば、今季92打点をマークした勝負強さも発揮できる。

井端監督とは10日に甲子園で対面済み。「レギュラーとして何年もやっていますし、年齢も上の方ですし、引っ張っていってくれれば」とリーダーとしての役割も求められていた。この日の会見でも日本ハム万波、牧、そして佐藤輝らパワーヒッターへの思いを「次世代のホームランバッターというところでは期待しています」と表現。豪快なアーチを求められている。

この日は9、10月度の月間MVPの受賞も発表された。9、10月は打率3割5分6厘、9本塁打、29打点と絶好調でリーグ制覇をけん引。「9、10月の活躍を1年間通してできたら理想」と気持ちを新たにした。さらなる高みへ、21年5月度以来、2度目となる勲章も追い風となるはずだ。

まずは28日から始まるオリックスとの日本シリーズへ。「日本一をとってからアジア一へ、という思いはあるか」との問いには「それはもちろん」と即答。シート打撃では才木相手に2打席連続空振り三振も「打席に立てることが全てなので良かった」と前を向いた。日本一からアジア一へ。頂点をとり続ける秋にしてみせる。【中野椋】

◆佐藤輝の日本代表歴 近大2年時の18年、大学日本代表に選出。米国で行われた日米大学野球では2試合に左翼とDHで先発して7打数1安打1打点。オランダでのハーレム国際では6打数無安打だった。侍ジャパントップチームには昨年11月に行われた「侍ジャパンシリーズ2022」で初選出。4試合に出場し13打数2安打、2打点。右翼で3試合に先発するもアピール不足で、23年3月のWBCでのメンバー入りはならなかった。

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