阪神が快勝で白星発進を決めた。投打がかみ合い、日本シリーズでは敵地で9連敗と苦戦が続いていたが、日本一を決めた85年11月2日の西武球場(現ベルーナドーム)以来、1万3874日ぶりの敵地勝利を飾った。

第1戦の先発を託された村上頌樹投手(25)が、見事に大役を全うした。2回2死の紅林の打席で自己最速を1キロ更新する外角高めの152キロ直球を記録するなど、気合のこもった投球で4回までパーフェクト投球。5回は先頭森にドーム天井の隙間にボールが吸い込まれるエンタイトル二塁打で出塁を許したが、後続を寄せ付けなかった。7回2安打無失点。圧巻の投球内容で勝利をもたらした。

打線は“岡田マジック”がハマり、難敵オリックス山本を攻略した。両軍無得点の5回、先頭佐藤輝が中前打で出塁。続くノイジーの打席の初球で今季7盗塁の佐藤輝が二盗を成功させ、ヘッドスライディングで二塁を陥れた。意表を突く形でチャンスメークし、「7番DH」に抜てきされた渡辺諒が続いた。1死三塁から山本の内寄り155キロツーシームを振り、打球はつまりながらも中前にポトリ。待望の先制点を奪取。木浪が右前打でつなぎ、2死一、二塁から近本が右中間をぶち破る走者一掃の適時三塁打でさらに2点を追加。なおも2死三塁から中野が外角低めのカーブに食らいつき、技ありの左前適時打で4点目をゲットした。

攻撃の手を止めなかった。6回は先頭大山が四球で出塁し、ノイジーが左前打でつないで2死一、三塁から木浪が左前適時打をマーク。なおも一、二塁から坂本が左翼線への二塁打で6点目を奪い、山本をKO。難敵右腕に10安打を浴びせて7得点を奪取。指揮官の策がハマり、見事に打ち崩した。

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