侍ジャパン佐藤輝明内野手(24=阪神)が11日、宮崎キャンプで規格外のパワーを見せた。フリー打撃で29スイング中6本の柵越えを見せ、ネットをかすめながらの1発も放った。12日にはチーム合流後初実戦となる練習試合・広島戦(宮崎・清武)に出場予定。「井端ジャパン第1号」の期待が膨らむ。

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衝撃弾だった。佐藤輝にとって初の屋外フリー打撃。26スイング目だった。強振した打球は打撃ケージの上部のネットをかすめた。しかし打球の勢いは止まらず。高弾道でそのまま右翼席の芝へ着弾した。計29スイング中6本の柵越えを放ち、その度に観客からは拍手が起こった。「長打は自分の持ち味でもあるんで。どんどん出していければ」。障害物をものともしないパワーで、ひときわ存在感を放った。

12日の練習試合・広島戦に出場予定。岡林や小園ら、出塁にたけるメンバーも多い中で走者を返す役割に力を込めた。10日の練習試合巨人戦では、9イニングで無得点に終わった攻撃陣。「井端ジャパン第1号」の期待も高まる一振りとなった。本戦前ラストとなる実戦で、チームに活気を与える一打を目指す。

指揮官も“ネット弾”には「あんなの初めてみましたよ」と驚きを隠さなかった。「上のネットに当たって向こう行ったなと思ったら、そのまま入ったので。浜風をものともせずじゃないですか。伸び伸び打ってもらえたらいいなと思う」。実戦でも変わらないフルスイングに期待を込めた。

23年日本一メンバーとして臨むアジアチャンピオンシップ。佐藤輝は「結果を残すしかないんじゃないですか」と引き締めた。日本シリーズでは全7試合で27打数4安打1打点、打率1割4分8厘と苦しんだ。前日10日は午前中の室内打撃の後、午後からも振り込みを実施。結果で実力を示す覚悟だ。

野手ではDeNA牧、広島坂倉らとともにチーム最年長。積極的な声出しで自然発生的にキャプテンと呼ばれる牧らがいる中、武骨な姿勢で背中を見せる。「自分はこう、しゃべってどうするかというタイプではないので。プレーで見せられたらなと思います」。言葉のいらないフルスイングで、侍ジャパンの中心に立つ。【波部俊之介】

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