侍ジャパンの阪神森下翔太外野手(23)がデビュー戦で特大弾など2打点を挙げ、逆転勝利を呼び込んだ。

練習試合の広島戦(宮崎市清武)に3番左翼で出場。2点を追う6回1死、推定120メートルの特大弾を左翼席に運んだ。打線に火を付け、この回一挙3得点で逆転。侍初勝利をプレゼントされた井端弘和監督(48)は16日に東京ドームで開幕する「アジアプロ野球チャンピオンシップ」で打線の上位を任せる方針。阪神の日本一に貢献したビッグルーキーは侍でも勝負強い。

  ◇  ◇  ◇

打った瞬間、左翼手の足は止まっていた。肌寒い追い風に乗り、森下の打球は観客の頭上を悠々と通過。「行ったと思った」。左翼の芝生席最深部に到達する推定120メートル弾。ベンチに戻ると、丁寧に1人1人とハイタッチをかわした。「均衡したところでホームランだったり長打が出るとチームも盛り上がってくる。本番でも、ああいう打撃ができれば」と目を輝かせた。日本シリーズで新人史上最多7打点を挙げた男の勢いは、侍でも止まらない。

2点を追う6回1死。広島3番手右腕、小林の直球を強振した。侍ジャパントップチームのデビュー戦で、名刺代わりの「井端ジャパン第1号」。井端監督も「一振りでベンチの雰囲気も変えてくれた。存在は大きい」とほおを緩ませた。

前試合の10日巨人戦でチームは9回無得点。この試合も1点にとどまっていた中で、一挙3得点の逆転劇を呼び込んだ。指揮官も日本シリーズを経ての駆け付け弾にホレ込んだようす。16日開幕のアジアチャンピオンシップでは「上位のところで考えようかなと思いますけどね」と、期待値の大きいプランを明かした。

森下はそれまでの2打席で差し込まれて凡退。指1本分、バットを短く握っての1発だった。「今日は(バットが)重く感じていた。ちょっと捉えられないなと思ったので変えました」。シーズン中も、合わないと感じた時は試合中に試行錯誤。侍でも落ち着き払い、修正力の高さを見せた。

7回にも左前適時打を放ち、2打点で勝負強さを発揮。阪神では右翼が本職だが、プロ3度目のフル出場となった左翼も無難にこなした。「上位の方がチャンスで回ってくるし期待感も感じる。どの打順もやることは変わらないけど、上位で打てればいいなとは思う」と意欲も見せた。

中大4年時に大学ジャパンに選出されたが、故障で出場がかなわなかった。あえて当時と同じ背番号23番を選び、リベンジを期している。「打つ気でいるし、勝つ気でいる」。試合前には円陣での声出しも担当。虎の元気印が井端ジャパンを勝利に導く。【波部俊之介】

◆森下と日本代表 中大1年時に日本で開催された「第43回日米大学野球選手権大会」に出場。3学年上で同姓の森下(明大→広島)や柳町(慶大→ソフトバンク)らとともに優勝メンバーとなった。4年時にはオランダでの「ハーレム・ベースボール・ウイーク」で代表選出されたが、直前の練習試合で死球を受けて右手首を骨折。それでも裏方としてチームへの同行を直訴し、練習補助や一塁コーチを務めてサポート役に徹した。チームは4位だった。

◆侍ジャパン新人の1発 プロアマ混成チームでは01年W杯のオーストラリア戦で阿部慎之助(巨人)、16年U23W杯決勝のオーストラリア戦で高卒1年目の広岡大志(ヤクルト)が打った例などがある。阪神の新人では02年アジア大会で喜田剛が3本放ち、18年U23W杯では島田海吏が南アフリカ戦で打っている。

【動画】森下翔太が井端ジャパン1号の特大弾!ベンチ前ではフラダンス風ポーズがプチ流行