そら、開幕は一番調子ええやつよ-。阪神岡田彰布監督(65)が15日、24年開幕投手争いのゴングを鳴らした。

兵庫・西宮市の鳴尾浜で調整中の伊藤将司投手(27)が自身初の大役へ真っ先に名乗りを上げたが、高知・安芸での秋季キャンプに参加中の指揮官は競争させる方針を示した。開幕戦は3月29日の巨人戦(東京ドーム)。球団史上初のセ・リーグ連覇、日本シリーズ連覇へ向けた来季のスターターの座は果たして…。

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秋季キャンプの最終第4クールが始まった高知・安芸で、24年阪神の開幕投手争いのゴングが鳴らされた。鳴尾浜で伊藤将が「開幕投手になれるように頑張っていきたい」と宣言。ただ、左腕が開幕直前に左肩痛で離脱していただけに、岡田監督は「開幕ローテーションにおらんかったやんけ」と苦笑した。開幕投手については「まだまだ先やん決めるのは。みんなに聞いたらみんな投げたい言うわ」と明言を避けた。

23年の開幕戦は青柳に託し、好発進を決めた。背番号17の指名に指揮官は「最初から決めとったよ」と明かした。「青柳がやったことなかったから投げさせたんやで。(22年は)コロナもあったみたいやけどな。2年連続最多勝取ってるピッチャーがまだ開幕戦で投げたことないっていうのは、やっぱりおかしいんちゃうか、チームとしてな」。実績十分で、大役未経験を優先した形となった。

来季の開幕投手候補としては、10勝トリオの村上、伊藤将、大竹に加え、8勝を挙げた青柳、才木、開幕投手経験のある西勇と好投手がズラリとそろう。指揮官は「そら見てからや。誰でもいけるもん。飛び抜けてるいうもんがないからな。別に誰がやってもええって言ったらおかしいけど、みんなその権利はあると思うで」。2月の春季キャンプ、オープン戦を経て「一番調子のいいやつを開幕に持っていくのが普通ちゃうかな」と言い切った。

開幕戦の相手巨人は、伊藤将にとってお得意様だ。22年は2試合連続完封を挙げ、今季も2勝1敗、防御率2・10だっただけに「巨人戦は今年良かったので」と胸を張る。岡田監督は「逆に“おいしい巨人戦”って思ってるかも分からんで」と心を読み取っていた。

自身初の大役へ向け左腕は「開幕投手はチームのエースっていう存在感が強い。そういう中で開幕投手を取れたらいいなと思います」と強い覚悟を示した。球団初のセ・リーグ2連覇へ向けた初陣は誰に託されるのか。激しい競争の幕が開ける。【古財稜明】