「ポスト由伸」へ-。高卒3年目のオリックス山下舜平大投手(21)が、パ・リーグの新人王に輝いた。28日に都内で行われたNPBアワードに出席した右腕は「由伸さんと野球ができて、これからの野球人生に大きく影響する」と今オフに大リーグに挑戦する山本由伸投手(25)に感謝。来季はまず防御率のタイトルを見据え、エースの穴を埋める活躍を目指す。

   ◇   ◇   ◇

新調したダブルのスーツからも、山下の進化ぶりが伝わった。「ちょっと作りました。お願いして。毎年、やばいっす。もったいないっす」。成長著しい体とともに、毎年新たなスーツをオーダー。思わず苦笑いした。

プロ初登板で開幕投手を務め、無傷の5連勝を挙げるなど9勝3敗。鮮烈な活躍を印象づけ、晴れ舞台に立った。「評価をいろんな方々にしていただいて取れる賞なので。でも、自分で結果で取れたらなと思いました」。喜びと感謝の一方で、満足しないのは大きな背中を見てきたからだ。

「由伸さんと野球ができて、これからの野球人生に大きく影響するのかなと思います。得たものをこれからの野球人生に生かしていきたい」。3年連続のMVPを始め、投手のタイトルを独占したのはエース山本。大リーグに挑戦する右腕が抜ける来季、新エースに名乗りを上げる。

まず見据えるのは防御率のタイトル。「防御率が低いイコール、抑えている、点を取られていないとなると、勝つ試合ももちろん多くなってくる。すべてに直結するんじゃないかなと思う」。今季は規定投球回に未到達だが防御率1・61。目指すのはさらに先だ。「もちろん。由伸さんなんて。まだ上には上がいるので、もっともっとこだわれる数字かなと思います」。防御率1・21と圧倒的な姿を見せた山本のように、無双の存在になる。

現在は「第3腰椎分離症」から復帰を目指し、11月下旬にキャッチボールを再開。「2月のキャンプには最高の状態で入れるかなと思います」。シーズン終盤に離脱した悔しさが残った今季。「来年もこの場所に戻ってこられるように1年間頑張りたいなと思います」。自身も納得の活躍を見せ「由伸さん」の穴を埋める。【磯綾乃】

【関連記事】オリックスニュース一覧