阪神佐藤輝明内野手(24)が、1年前の予言を見事に的中させた。「現代用語の基礎知識選 2023ユーキャン新語・流行語大賞」が1日に都内で発表され、「アレ(A.R.E.)」が年間大賞に輝いた。若き主砲が契約更改の交渉に臨んだ昨年12月1日に、ヤクルト村上の「村神様」が流行語大賞に選出された。その場で来季流行させたいワードを問われ、「『アレ』でしょ。優勝したら絶対、流行語になるでしょ」と断言していた。

この日、甲子園に訪れた佐藤輝は1年前の発言について「ぜんっぜん覚えてないです」と苦笑いした。報道陣の説明で頭の片隅に残っていた記憶を懸命に掘り起こし、「あー、そうっすね」と思い出した。中軸としてチーム2冠となる24本塁打、92打点を記録するなど奮闘して、18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一に貢献。「優勝したら(年間大賞に)なると思ってたので。ちゃんと『アレ』も達成して、流行語(大賞)ももらったんで、良かったんじゃないですか」と胸を張った。

岡田監督が優勝を意識しすぎないために置き換えた「アレ」は、昨オフからすぐにチームに浸透した。チームメートもことあるごとに「アレ」を多用し、「いやもう(みんな)『アレ、アレ』言い過ぎっしょ、マジで。逆に『アレ』を意識しすぎたんじゃないですか」とニヤリ。「便利すぎ。まあ使いやすかったのでいいんじゃないですか」と振り返った。

佐藤輝はすでに来季のスローガン候補として「アレ」と「連覇」を掛け合わせた「アレンパ」を考案している。岡田監督も「初めて佐藤すごいと思った」とワードセンスを大絶賛。ただ、当の本人はなぜか「(スローガンに)ならないでしょ絶対(笑い)」と早くも諦めムード? だ。今オフはイベント盛りだくさん。「『アレ』したんで忙しいです。また連覇して、(来季も)忙しいオフを過ごせたらと思います」。1年後、今度は“アレンパ”を流行語に押し上げていたいところだ。【古財稜明】

【流行語大賞】2023年間大賞・トップ10発表/まとめ