【ホノルル(米ハワイ州)13日(日本時間14日)=古財稜明】阪神岡田彰布監督(66)が、米ハワイで虎ナインに「もっと稼げ」と指令を出した。リーグ優勝、日本一を祝した優勝旅行が開幕。夕刻に実施された祝賀会でのスピーチで指揮官が「(球団は)お金いっぱいあるらしいですよ」と暴露し、選手にキャリアハイの成績を残して年俸を上げることを促した。個々のレベルアップを経て球団初のセ・リーグ連覇を成し遂げ、青天井の大幅年俸アップを勝ち取れるか!?

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ピンク色のトレーナーを着たオフモードの岡田監督は右手でマイクを握り、「ア~ロハ~。アロハーやね」とおどけた。18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一を祝う米ハワイでの優勝旅行初日。滞在先のホノルルのホテルで午後6時30分から始まった祝賀会のスピーチ。第一声で総勢約340人強が参加した会場の空気を一気に緩めた。

約7分間のスピーチで、「岡田節」を随所にちりばめた。中でもドッと沸かせたのは「年俸」の話だ。「今年もえらい給料上がっているよね。俺ら上がれへんのに」と苦笑い。推定で主力の近本、大山がともに1億5000万円アップを勝ち取り、伊藤将、佐藤輝、中野の同期組がそろって1億円超えプレーヤーに。最優秀防御率のタイトルとMVP&新人王に輝いた村上も6000万円アップの6700万円と大出世した。

若手中心のチームで「もっとキャリアハイの数字を出せる選手選手はたくさんいると思う」と伸びしろに期待。さらに「これまた来シーズン(年俸が)上がるから(球団は)大変と思いますけど…」と前置きしながら「なんかまあお金いっぱいあるらしいですよ。(杉山)オーナーが『金はあります』って言ってたから。なんぼでも出したらええと思いますけど」とナインの心をくすぐった。

スピーチでは選手を支えた家族への感謝の思いが大半を占めた中、おなじみのミエセスいじりも忘れなかった。優勝旅行を欠席した助っ人砲について「ミエちゃん来てたら1発かまそうかなと思ってたんやけど。『主役じゃないよ』言うて」とリーグ優勝時のビールかけでのワンシーンを引用してニヤリ。「今回は『家族が主役』なんで、子どもさんは思う存分にパパに甘えて、奥さんも労って、英気を養って。(日本に)帰ったらまた心新たに来シーズンスタートしたいと思います」と力を込めた。

個々の選手がキャリアハイの成績を残せば、球団初のセ・リーグ連覇はおのずと近づく。実現すれば年俸もはね上がり、再びバラ色のオフが待っている。【古財稜明】

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