阪神岡田彰布監督(66)が、高卒2年目・門別啓人投手(19)に村上ロードを歩ませる。注目左腕の24年シーズン初登板について「(昨年は)村上でも開幕ローテーション違うんやで。そういうことやろ。どっかで調子の悪いピッチャーがおって、チャンスをつかんでああいう形やからな」と言及。開幕ローテか? の問いに首を振った。

昨秋キャンプで指揮官が素質にほれ込み1軍キャンプに抜てき。17日の楽天との練習試合(宜野座)で自己最速タイ151キロを計測するなど好アピールを続けている。注目株にはいきなりの開幕ローテーションではなく、最適なマウンドを見つける。

その方針の裏には、昨年の村上頌樹投手(25)は歩んできた道筋がある。開幕ローテ入りはならなかったが、4月1日DeNA戦で先発秋山のリリーフで好投すると、12日に先発チャンスをゲット。結果を残して先発ローテに定着すると、新人王とMVPに輝くまでの活躍を見せた。巡ってきたチャンスを生かし、結果を残したからこそ定位置をつかめた。

その一方、日本一の戦力となった昨季の先発陣への敬意と信頼がある。「去年の6人。誰かが調子悪いとかけがとかしたらな。そこで割って入ろうというのがあるかも分からんけど」。現時点で指揮官の頭には村上、青柳、伊藤将、大竹、西勇、才木の6人が開幕ローテ構想に入っている様子。まだ実戦登板のない大竹と西勇についても「そんなん全然アレよ。全然問題ないよ」と心配していない。

開幕までのオープン戦は3カード連続ドーム球場。「逆算したら3カード、ドームでいけるからな。やりやすいよな。予告先発だからそんな別に隠す必要も無いわ。分かってるピッチャーはな」とどっしり構える。日本一の戦力となった先発陣を尊重しながら、新たな左腕にチャンスをつかませる。【磯綾乃】

◆昨季の村上初先発 開幕2戦目4月1日DeNA戦での中継ぎ登板を経て、同12日の巨人戦でシーズン初先発に臨んだ。期待にこたえ村上は、7イニングを21人で抑えるパーフェクトピッチングを展開。「プロ初勝利が完全試合」という快挙に期待がかかったが、1点リードした8回の打席で代打を送られ降板となった。後を受けた石井が8回先頭の岡本和に本塁打され先制を許し、村上の勝利は消滅。延長10回に近本の適時打で勝ち越し、阪神が辛勝した。