広陵(広島)で通算62本塁打を放ち、春夏3度甲子園に出場した大商大・真鍋慧(けいた)内野手(18)が2日、奈良・香芝市の同大学練習場で大学実戦デビューした。気温5度で時折雪もちらついた立命大とのオープン戦に途中出場。ヒットはお預けになったが、自慢のパワフルスイングで存在感を発揮した。

5回先頭の代打が初打席。果敢に振った初球は鋭いスイングでファウル。フルカウントからの10球目、あと少しでホームランという大きな右飛で周囲を沸かせた。そのままDHに入り、2打席目は二ゴロ。3打席目はしっかり見極めて四球を選ぶと、キビキビと一塁へ走った。チームは立命大に10-2で勝利を収めた。

昨秋のドラフト会議で指名を逃した「広陵のボンズ」はいなかった。試合中のナインの呼称は「真鍋」。同大学OBの広陵・中井哲之監督(61)が命名した愛称だったが、この日「ボンズ」と呼ばれることはなかった。なぜ? 大商大の富山陽一監督(59)は事前に「ボンズと呼ぶな!」とナインに指令していた。「そら、大学では1年生の真鍋慧としてな」。

今オフは食トレを遂行。体重は5キロ以上増の100キロの大台に乗せ、関西へやってきた。“シン・マナベ”は頂点だけを目指して、4年間を歩む。「4年後のドラフトは考えていないです。大商大を日本一にすることしか考えていないので、ベンチに入るだけでなく、自分のできることでレギュラーを取りに行きます」。リーグ4連覇中のチームで、まずは第1関門のレギュラー定着へ突き進む。【中島麗】

◆真鍋慧(まなべ・けいた)2005年(平17)6月17日生まれ、広島市出身。みどり坂小1年時に、瀬野ソフトボールクラブでソフトボールを始める。瀬野川東中では広島安芸リトルシニアに所属。広陵では1年夏からベンチ入り。1年から4番を務め、通算62本塁打を記録。50メートル6・3秒。遠投105メートル。身長190センチ、体重100キロ。右投げ左打ち。