や~~っと勝った! 阪神がオープン戦開幕から10試合目で今季初勝利を挙げた。10日巨人戦(甲子園)で球団ワースト記録の9連敗を喫したが、10戦全敗は阻止した。それでも岡田彰布監督(66)は「勝ちがつくって、そんなん」と気にも留めず。次戦の15日中日戦(バンテリンドーム)からサインや戦術を入れて、開幕へ本番モードに入る。

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10試合目にしてつかんだ初勝利。試合直後はベンチで顔をほころばせた岡田監督だったが、遠征用のスーツに着替えるとすぐに表情を戻した。「勝ちが付くって、そんなん。そういう問題じゃないやろ」。オープン戦の勝敗に一喜一憂する周囲をいなすように、軽く一蹴した。

今季初の決勝打は、無邪気な助っ人ミエセスだった。同点に追いつかれた直後の7回無死二塁、ロッテ田中の直球を強振。ZOZOマリンの強風に乗った打球は伸びに伸びてフェンス際へ。キャッチを試みた左翼手石川のグラブからこぼれ、ラッキーな勝ち越し適時二塁打となった。

幸運を呼び込んだムードメーカーは素直に勝利を喜びながら、ここまでのチームの前向きな空気を伝えた。「すごく負けていたけど、全力でやってると思うし、グラウンド上でみんないい表情でいいプレーしていると思う。結果が出なかったですけど、今日は結果出てよかったよ」。まだ選手個々が考え、試行錯誤し、それぞれの状態を上げていく時期。ナインも目の前の結果に一喜一憂しない。

9連敗中も指揮官は変わらなかった。試合前はノックバットを手にしながら、いつも内野後方からじっと野手陣を見つめた。「ずっといいもんもおるし、なかなか上がってこんというか、そういうのもいてるけど。開幕でベストな状態で行けるようにするのがまずあれやからなあ。一番のみんなの目標やから」。昨季日本一を成し遂げたチームを信頼し、成熟した選手たちも指揮官の考えを理解している。

いよいよ本番モードに入る。次戦の15日中日戦(バンテリンドーム)から、初めてシーズン仕様のサインを使う。「だから明日(14日)ミーティングするやん、サインの。初めて。それだけのことやん」。ここから開幕まですべてドーム球場ゲームで、雨天中止などで調整に悩むこともない。勝ちにいくのはこれからだ。【磯綾乃】

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