日本ハム清宮幸太郎内野手(25)が、母校早実の9年ぶり30度目の夏の甲子園出場を“前祝い”する決勝打を放った。1回無死二塁で右中間を破る先制適時二塁打。その直後に後輩たちが西東京大会を制して、試合中に吉報が舞い込んだ。チームも自身の一打を皮切りに2回までに9得点を奪って西武に完勝。ソフトバンクの優勝マジック点灯を阻止し、勢いに乗りそうな後半戦初勝利を収めた。

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試合開始の約1時間前。清宮は思った。「このままでは試合に集中できない」。この日は午前10時から、母校早実が9年ぶりの夏の甲子園出場を懸けた試合を神宮で戦っていた。試合前練習を終えると食事をしながらスマホで中継動画をチェック。そこに現れたのは日大三OBの山崎だ。

清宮 初めてですよ、(山崎)福也さんと食堂でご飯を食べるなんて。いつもタイミングもそんなに被らないし。わざわざ福也さん、僕のところに来て(中継動画を)一緒に見ていたら、ちょうど三高が逆転して(山崎に)「ちょっと、やめてくださいよ」って(笑い)。福也さんもずっと、あおってきていたんで。

その時点で早実はリードを許していたが、このままでは試合に集中できない。この日は「2番一塁」でスタメンだ。気付けば時間も正午。断腸の思いで「(試合開始)1時間くらい前から情報をシャットダウンした」。ロッカーで普段通りに過ごし、集中力を高めて午後1時からの試合に臨んだ。

そして、いきなり打った。1回無死二塁で先制適時二塁打。27日に守備でミスがあった水谷がつくったチャンスを生かした場面でもあり、「ジェッシー(水谷)が意地のツーベースを打ってくれたのでなんとか生かしたい」という熱い思いを結果につなげた。その直後、後輩たちもサヨナラ勝利で甲子園出場を決めた。

試合中に球団スタッフから「おめでとう」と声をかけられ、吉報を知った。

清宮 「マジっすか」って。最初はウソだと思って(笑い)。負けてたんで、僕が知ってる(情報の)限りでは。熱いっすね。いいっすね、高校野球。

さらに気持ちも乗って2回は押し出し四球を選び、6回にも中前打。2安打2打点の活躍で、母校の復活を祝うようにお立ち台にも立った。後輩たちには「あとは楽しんでくれ」とエール。それは、自身の今にも通じる。「毎日ヒリヒリしていますけど、そういうのも今しかできないこと。楽しめれば」。後輩たちのように日本一を目指して、もっと打つ。【木下大輔】

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