巨人阿部慎之助監督(45)がV奪回に向け、リミッターを解除した。
3点リードの8回2死一、二塁でバルドナードを代えて大勢投手(25)を投入。守護神が今季初のイニングまたぎを1 1/3、無安打、無失点の完全投球で25セーブ目をマークした。先発の戸郷翔征投手(24)は6回5安打無失点で粘り抜き11勝目。2位広島との首位攻防3連戦は敵地・マツダスタジアムでは20年以来4年ぶりの同一カード3連勝で4ゲーム差に広げ、13日にも優勝マジック「12」が点灯する。
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出番は8回2死一、二塁で巡ってきた。大勢はブルペンで肩を作りながら、気持ちを高めた。マウンドではバルドナードが四球を与え、1発出れば同点の局面を迎えた。ブルペンの電話が鳴る。いつもより少し早く仕事を託された。不安はない。大勢は「チームもいい流れ。勢いに乗っていくだけ」とマウンドに小走りで向かった。打席には末包。暴投で2死一、三塁とするも、カウント2-2から7球目の低め144キロフォークで投ゴロに仕留めた。
最終回への準備は、いつものブルペンとは違う景色、場所だった。三塁側ベンチに腰かけ、一休みした後、カメラマン席前でキャッチボールをして、回またぎの準備をした。菊池は中飛、磯村、秋山を空振り三振。3者凡退で試合を締めた。
大勢の回またぎは23年6月3日日本ハム戦以来で自身3度目。過去2回はセーブ失敗しており、回またぎでの初の無失点だった。8月下旬、投手陣のミーティングで3連投、回またぎの解禁が告げられていた。優勝争いが過熱するシーズン佳境の勝負手。今季初の回またぎだったが、覚悟は決まっていた。
継投策について、阿部監督は「昨日の試合を見て、1つの四球が致命的になることがあるから、スパッと代えました」と説明した。前夜の9回9得点の歴史的逆転は連続四球が足掛かりとなっていた。四球が試合の流れを動かしており、バルドナードの四球直後に大勢への交代を決断した。阿部野球は「困ったらど真ん中」を掲げ、投手陣を再建してきた。
先発した戸郷は6回5安打無失点だった。蒸し暑さの中で「どうやってギアチェンジするとか難しかったが、ゼロで抑えられてよかった」と役目を果たした。首位攻防の3連戦ではのべ14人の投手をつぎ込んだ。それぞれが役割を全うし、鬼門のはずだったマツダスタジアムで3連勝を決めた。3年をまたぎ、4年ぶりのリーグ制覇がグッと見えてきた。【上田悠太】
▼巨人は13日にもマジック12が点灯する。M点灯の条件は、13日に巨人がヤクルト戦に○、広島が阪神戦に●か△、DeNAが中日戦に●。巨人○、広島△の時は、両軍が81勝56敗6分け、直接対決も11勝11敗3分けの五分になる可能性があるが、このケースは交流戦を除いたリーグ内勝率の高い巨人が上位になる。



