ソフトバンク球団会長の王貞治氏(84)が16日、今年の野球殿堂入りを果たした現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(51)をたたえた。引退後5年経過したプロ野球選手が対象の「プレーヤー部門」に選ばれたイチロー氏の通知式では、親交の深いゲストとして「イチロー君の存在はかすむことはない。常に輝き続ける」とスピーチした。
【王氏のスピーチ全文】
王貞治でございます。待ちに待ったイチロー君の殿堂入りの、この素晴らしい席に出席させていただきまして大変光栄に思っております。イチロー君の成績に関しては、もう皆さん本当にあえて言うまでもなく、皆さんの心の中に住み着いてるんではないかと思うんですよ。あえて言うと、イチロー君の場合は(殿堂入りを引退から)5年も待たなくてもよかったんじゃないかと。たしかに規則は規則なんでしょうけど、そういった意味でも待ちに待った(殿堂入り)というね。これは私だけの言葉じゃなくて、日本中のまたは海外、アメリカでイチロー君のプレーを見たファンの人も今日はすごく喜んでくれてるんじゃないかと思います。私は1995年にダイエーホークスというチームにおりまして、そのときにイチロー君はオリックスのスーパースターでした。私もバッターですから、いろいろバッターとして見たりしても、とにかくボールとバットの芯を結ぶのが本当天才だと思いました。これ人間技ではないと私はそう思いました。やはり野球っていうのは、芯と芯がちゃんと当たらない限り、いい打球が出ないわけですから。それをどういう体勢に崩されても、その結ぶということは、他のバッターと比べて本当に違うんですね。私は相手のチームでしたから、もう大変痛い思いに何度も何度も遭いました。
でも、イチロー君がアメリカ行って、むしろ日本にいたときよりも以上、アメリカで(活躍した)。特に行った年に首位打者を取って、(安打は)242本だった。1年目で最優秀選手は本当に素晴らしい。アメリカはなかなか日本の人とか、海外の人が認めない国(というイメージだった)が、1年目のイチロー君の活躍で最優秀選手という賞を与えた。アメリカは私が思ってたよりも、ちょっと捨てたもんじゃないなっていてふうに思ったりもしたぐらい。日本に対してそういうイメージをアメリカが持ってんじゃないかと思ったんですけど、本当にそれを見事に覆されました。その後も262本という世界記録を作って。彼の存在は成績も素晴らしい。とにかく走攻守全てにそろっていてね、日本の野球はすごいんだというイメージをアメリカの選手たちに与えてくれた。イチロー君がアメリカでそういう活躍してくれたことが、今の日米の野球の技術レベルがだいぶ近づいた。まだまだ差はあると思いますけど、ここまで近づいたのはやっぱりイチローの功績が大だったと思います。イチロー君の存在はかすむことはないですよね。常に輝き続けていくと思いますんで。今、高校生の野球(指導)もやって、野球に対する情熱もまた素晴らしいですね。ぜひ日本の将来の子供たちのためにも、今まで通り頑張っていただいて。野球っていいんだという思いを、みんなとともに共有していって欲しいなと思います。本当に今日はおめでとうございました。



