絶体絶命のピンチを無失点で切り抜けた瞬間、感情あらわに右拳を握りしめた。阪神の新助っ人右腕、グラント・ハートウィグ投手(27=メッツ3A)は試合後、来日初登板初勝利を苦笑いで振り返った。

「あまりいい内容ではなかったけどね。粘って粘ってゼロに抑えられたことは唯一良かったかな」

7月26日に来日。2日前の2軍戦で来日後初実戦を済ませ、この日に出場選手登録されたばかりだった。2点ビハインドの7回に登板。ここからハラハラドキドキの“ハートウィグ劇場”が幕を開けた。

まずは先頭細川への大きく曲がるスイーパーで驚かせた。体をのけぞらせた1球は外角低めストライク。宝刀の威力を披露したが、結局は歩かせた。続くボスラー、チェイビスにも制球が定まらず、3者連続四球で無死満塁。土俵際に追い込まれ、突如、目覚めた。

山本は外角スイーパーで空振り三振。石伊は150キロのツーシームで三ゴロ併殺打に仕留め、ホームを踏ませなかった。1イニングを3四球無失点。すると、降板直後に佐藤輝の3ランが飛び出し、来日初勝利が転がり込んだ。

「チームが『よし行こう』という雰囲気になったのを感じられました。(佐藤輝の本塁打を)目の当たりにして、興奮したし、楽しかったです」

虎助っ人の来日初登板初勝利は22年ウィルカーソン以来。救援登板では球団史上初の快挙となった。

3日のウエスタン・リーグ、オリックス戦(SGL)では8点を追う7回に登板。3者連続三振デビューを飾ると、直後に前川の満塁アーチが飛び出し、チームは最終的に引き分けた。そして、この日は佐藤輝の逆転弾からの勝利だ。

「ファームの試合でも『ホームラン打つんじゃないか』って通訳さんと話していたら、本当に打ってくれた。今日も自分の投球のあとにああやってホームランが出たのは、たまたまだとは思うけれど良かった」

照れ笑いしてチームバスに乗り込んだ助っ人右腕。負けないジンクスも大切に育てたい。【伊東大介】

▽中日山本(7回無死満塁で新外国人ハートウィグのスライダーに空振り三振)「いいところに決まり過ぎた。振っていくしかない。ある程度、軌道も頭に入ったので次は打ちたい」

【関連記事】阪神ニュース一覧はこちら―>