ソフトバンク今宮健太内野手(34)が前人未到の偉業を達成した。
東北の秋田開催となった楽天戦で通算400犠打をマーク。1-0の4回無死一塁から捕手の前へ成功させ、追加点を呼び込んだ。プロ野球4人目、100本塁打以上を放っての到達は史上初の快挙となった。ベテランがつなぎ役に徹し、チームは連敗を4でストップ。首位陥落の可能性もあった一戦を制し、2位日本ハムに1ゲーム差とした。
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いとも簡単に、ベテラン今宮が捕手の前へ転がした。右足を後方へ引き、横にバットを構える。真ん中の低め直球にコツンと当てた。4回無死一塁で牧原大を二塁へ。培ってきた技術が詰まった送りバント。三塁ベンチにできたハイタッチの列に戻り、チームメートから祝福の声をかけられた。通算400度目の犠打。つなぎ役に徹し続けた1つの証しでもあった。
「とにかくチームの勝利に貢献していくこと。犠打を積み重ねていくことは、プロとして活躍し続けることとイコールの関係」
史上4人目の大台に到達し、金字塔を打ち立てた。今月22日の敵地日本ハム戦でプロ通算100号を達成。「100本塁打&400犠打」は長いプロ野球の歴史のなかでも史上初の快挙だ。プロ野球史に刻んだ新たな歴史。それでも、今宮は「どんどん伸ばしていくというか。自分のやるべきことをしっかりやりたい」とさらなる高みを見据える。
「バント」が厳しい世界で生き抜く術だった。明豊(大分)時代は高校通算62本塁打をマーク。世代屈指のスラッガーで名をはせるも「もう、過去のことだと思って」。09年ドラフト1位で鳴り物入りで飛び込むも、入団当初は打撃に課題を残した。プロ3年目の12年にシフトチェンジ。強打者のプライドをかなぐり捨て、小技にこだわった。
キャリアを重ねていっても、試合前には欠かさずにバント練習を行う。準備に余念はない。13、14年は2年連続でパ記録のシーズン62犠打をマーク。自己犠牲を貫く分、通算安打数は1404本。「バントに徹しない野球人生だったら1500安打に達していたかな」と思う時もある。それでも「自分の仕事はバントだと思ってプロの道を歩んできた」。後悔はない。1つずつ積み上げてきた背番号6の姿が頼もしい。
長期ロードの連敗を4でストップし、2位日本ハムに1ゲーム差とした。東北秋田の地でメモリアルデーを飾り「あとは打つこと。しっかり打てるように」。リーグ連覇へ。頼れる男はチームの勝利を貪欲に求める。【佐藤究】
▼ソフトバンク小久保監督(今宮が通算400犠打を達成)「400もバントして、100本(塁打)も打てる選手は出てこないでしょうから。プロ野球に名を残す記録ですね」
▼通算400犠打=今宮(ソフトバンク) 27日の楽天19回戦(秋田)の4回、捕手前に送りバントを決めて達成。川相(中日)533、平野(ロッテ)451、宮本(ヤクルト)408に次いで4人目となり、パ・リーグだけで400犠打は初。初犠打は12年4月29日のロッテ5回戦(QVCマリン)。また、過去3人は通算本塁打が2桁だったが、今宮はすでに100本。「100本塁打+400犠打」は初めてだ。
◆今宮健太(いまみや・けんた)1991年(平3)7月15日生まれ、大分県別府市出身。明豊では2年春と3年春夏に甲子園出場。高校通算62本塁打。09年ドラフト1位でソフトバンク入団。3年目の12年から主力に定着し、14、17、22、24年ベストナイン。13年から5年連続で遊撃手のゴールデングラブ賞を受賞。15年プレミア12出場。172センチ、76キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸3億円プラス出来高払い。



