富士大が八戸学院大を6-2で下した。

昨秋リーグ戦では3季ぶりの優勝を果たし、プロ野球のドラフト会議では史上最多となる6人が指名を受けたが、今秋のリーグ戦はここまで4勝4敗で4位と低迷。優勝の可能性がなくなった今、安田慎太郎監督(40)が前年度との比較も含め、チームの“現在地″を語った。

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最強の富士大復活へ-。昨年はプロ6人を輩出。だが、タレント軍団の抜けた穴は想像以上だった。安田監督は「ごそっと抜けて確実に反動はきています。(6人は)2年生くらいから出始めていたので、その人間がいなくなった時に頼れる人がいなくなってしまって」と現状を語った。

この秋は実力で定位置をつかみとった下級生が主体。ベンチ入りも1、2年生が8割を占めた。だが、経験不足ならではの問題に直面している。「オープン戦では出ないようなミスがリーグ戦ではすごく出ています」。限られた公式戦での新たな発見に、指揮官も手探り状態だ。「負けちゃいけない試合で精神的支柱というものがいないので、バラバラにやってしまっている状態です。頼れる軸が1本でもいれば、変わるんでしょうけど…」。八戸学院大との2戦で計6失策。1戦目では5点リードから逆転負けを喫した。

なかでも課題はバッテリー。昨年までは坂本達也(現巨人)が、投手の良さを引き出していた。「『坂本のサイン通りに投げていれば抑えられる』という安心感や共通認識があって。投手陣は信用しきっていたので、配球を考えずに全力で投げるだけでしたから」。だが、今は配球ミスでの敗戦もあったことで、お互いに疑心暗鬼状態。「ピッチャーのボール自体は良くても、うまくかみ合ってなかったりと、100%の力を発揮できていない状態です」と話した。

優勝の可能性が消滅した今、次につながるように、最終週を締めくくるつもりだ。「僕の仕事は育成と起用。育成して、起用を間違えないように見極めないといけないので。来年の春以降、大事な試合で『あっ…』とならないように、『この選手はリーグ戦でどう変化するのか』などを見極めて、次につながる試合にしたいです」。ただの消化試合ではない。来春の優勝を見据えた大事な最終週となる。【木村有優】

○…指揮官もお墨付きの“強心臓投手″がデビューした。6-2の8回1死満塁で富士大・中山雄仁郎投手(1年=九州学院)が登板。「絶対に抑えてやる」と6球でピンチを切り抜けた。チームは1戦目に5点リードをひっくり返されて敗戦。命取りとなったのは四球だった。「フォアボールは出さない自信があったので。得意のシンカーを中心に投げました」とリーグ初登板とは思えない、堂々たる投げっぷりで勝利を譲らなかった。