CSでも頼みまっせ! 阪神大竹耕太郎投手(30)が今季初&甲子園初の完封勝利を飾った。DeNA打線を散発3安打に封じ込め、23年7月5日広島戦(マツダスタジアム)以来2年ぶりの完封を決めた。中5日でCSファイナルステージを戦う可能性もある打線を翻弄(ほんろう)し、藤川監督も納得顔だ。優勝決定後のチームの連敗を2で止め、シーズン8勝目。3年連続の2ケタ勝利へ、ポストシーズンへ、1試合たりとも無駄にしない。
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登場曲「グランメゾン東京のテーマ」が流れる中、9回のマウンドに歩いた。「あと1人コール」を聞いた大竹は「甲子園のマウンドで聞くのは初めてだな。岩崎さんはいつもこういう雰囲気の中で投げているのか。そんなことを考える余裕もありました。堪能できました」。完投、完封の投手にだけ許されるごほうびを全身で味わった。
まさに名料理人。リズミカルに打者29人を、わずか104球で片付けた。2時間14分は阪神の今季最短ゲームだ。完封は阪神移籍1年目だった23年の7月5日広島戦(マツダスタジアム)以来。甲子園では初めて。最後はチェンジアップで桑原のバットに空を切らせ、感情を出して喜んだ。「坂本さんと9回まで話しながら進められた。0点で終われてよかったという気持ち」と汗をぬぐった。
今のテーマは直球の強さ。序盤から思い切り腕を振り、力強い直球をコースに突き刺した。直球が効いていると見れば、緩い球で泳がせた。「気持ちよく振らせないことを意識しました」。技巧派の真骨頂だった。シーズン中でも、まだまだ成長できる実感があるという。「受験勉強もだけど、1回伸び悩んでからポーンって来る。どうしたら来るか模索している。現状維持でいいという考え方では終わり。常に書き換えていきたい」と貪欲だ。
夏場に2度、登板中に体がつる症状が出た。必死に対処法を探し、サプリを口にするほか、肌に直接塗り込んでマグネシウムを摂取するオイルも試した。効果もあってか、蒸し暑い夜に9回を投げきった。
8勝目。今回の中5日登板は10勝達成のためでもあるが、藤川監督は「他の要素も少しある。間を空けて投げる時と、詰めて投げる時(の姿)を知りたかった」と明かした。1カ月後、CSファイナル、日本シリーズと続く戦いでは状態のいい投手を優先して詰めていくパターンもあり得る。村上、才木、高橋、伊藤将らとともにフル回転が期待されている。
大竹も「CS」を意識していた。9回は代打オースティンを右飛に。昨季2本塁打された相手に3球ボールが続いてから、気持ちを入れ直してストライクを投げ込んだ。「強い気持ちで投げられるか。代打で出てきてもらって、CSに向けていい経験になった」と悪い印象を払拭した。
多くの「消化試合」を戦う阪神だが、次なる戦いへのテーマはある。チームにとっても大きな意味を持つ大竹の完封劇だった。【柏原誠】



