法大の異端児が、今季初勝利に貢献した。高校軟式出身で一般受験組の助川太志投手(3年=茗溪学園)が8回からリーグ初登板、2イニングを無失点で切り抜けた。最速140キロ前半の直球を軸に、フォークやスライダーなどを投げ込み
延長11回に及ぶ激闘を制す原動力となった。
助川 すごく緊張しました。キャッチャーの土肥のミットとサインを信じるだけでした。真っすぐは自信があるボールなので、それを中心に投げられたのがよかった。
茨城県内随一の進学校の茗渓学園までは軟式野球に打ち込んだが、大学では硬式へとシフト。東京6大学野球への憧れを胸に受験校を選び法大に進むと、一般受験組ながらセレクションに合格して名門野球部に入部。当初は軟式から硬式に順応することは難しく肘の負担なども大きかったが、好きな言葉の「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」を胸に地道に鍛錬を重ね徐念願の神宮のマウンドに上がった。
助川 大島監督をはじめ、いろんな指導者の方に支えられて投げられるようになった。
助川の異端ぶりを物語るのは、英語で全て講義を行うグローバル教養学部(GIS)に在籍していることだ。
世界に活躍するグローバル人材を育成することを柱に08年4月に創設された学部で、偏差値は60・0(河合塾調べ)。野球部在籍者が多い経営学部やスポーツ健康学部、法学部、文学部といった学部とは一線を画し、1915年に創部された長い歴史のある法大野球部の中でも、同学部出身者が神宮のマウンドに上がるのは過去にも例がないという。
軟式出身で一般受験組、さらにGIS出身。167人いる部員の中でも異端ぶりが際立つ助川に、大島公一監督(58)も「100年以上の歴史の中でも、また新たな1ページを刻んでくれた。法政としては大きな功績で、博物館に飾りたいほどです」と評した。
帰国生たちと日々英語でディベート授業を重ねながら鍛え上げた。助川の自慢の英語力はTOEICスコア905点に到達する熟達ぶりだ。使い慣れた英語を披露するかのように、初めての神宮のマウンドさばきも冷静さが光った。【平山連】



