1勝1敗で迎えた第3戦、東北学院大が今春の全日本大学野球選手権で日本一に輝いた東北福祉大との接戦を制し、同大からは17年秋以来、16季ぶりとなる勝ち点をもぎ取った。
2点リードの9回。空気が張り詰めた。連打で無死一、三塁の大ピンチ。田村虎河捕手(4年=駒大苫小牧)がすかさずマウンドへ。この回から登板したエース堀川大成投手(4年=東日本国際大昌平)と言葉を交わした。
「三塁ランナーは無視して、リードを守ればいい。やってきたことをやろう」。続く打者にも安打を許し、1点差まで詰め寄られた。まだ無死。言葉はなかったが、バッテリーはアイコンタクトを取った。ここから3者連続三振。負けない。粘り強い。これが今年の東北学院大だ。
田村は一目散にマウンドへ駆け出し、堀川と抱き合った。その目は潤んでいた。「人生で一番うれしい瞬間です」。リーグ戦が終わったわけではない。それでも、大学ラストシーズンのこの秋、王者相手に初めて勝ち点を挙げた。星孝典監督(43)も「本当にナイスゲームでした。それしかありません」とうなずいた。
一時、4点リードを奪うなど、主導権を握った。だが、王者も黙ってはいない。終盤に追い上げられ、最後の最後まで息をのむ展開だった。「少しでも隙を見せると一気に持っていかれるので怖いです。もうやりたくないです」と、指揮官も思わず本音を漏らすほどだった。
秋も後半戦に入る。仙台大に続き、東北福祉大を撃破し首位に立った。だが、まだまだ気は抜けない。試合後のミーティングで星監督は「最後まで強さを見せましょう」と呼びかけた。決して慢心はしない。実力でつかんだ勝利を自信に、12年秋以来、26季ぶりの頂点へとひた走る。【木村有優】



