ザキさんの1日とは-。日刊スポーツの阪神担当が、チームや選手に独自の目線で迫る「猛虎リポート」。今回は阪神岩崎優投手(34)の甲子園ナイターゲームでの過ごし方を追った。ベテラン左腕は球場入りからブルペン入り、9回の登板までどう準備を進めているのか。登板51試合で31セーブを挙げ、リーグ制覇に貢献した守護神の不動のルーティンとは。【波部俊之介】
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甲子園でナイターが行われる1日。中継ぎ投手陣の練習は、基本的に午後2時半に始まる。岩崎の球場入りは早くても1時間前とややゆっくりめ。「決め事は少ない方がいい」。穏やかな朝を過ごして、守護神の1日は始まる。
<試合前練習> まずは屋外でストレッチ、キャッチボール、ランメニュー。その後は室内に入り、肩や股関節周りのトレーニングなどにあてる。「ほぼ一緒」と話すメニューを毎日継続。試合開始1時間前の午後5時までに終わらせる。
<試合直前> 試合終盤を任される岩崎の登板は、早くても午後8時以降になることが多い。出番まで時間も空くが、食事は開始前の午後5時半ごろに取ってしまう。「冷たいソバとかですかね。1人前を普通に食べます」。試合前だから軽めになどとは気にせず、しっかり食べる。
<試合開始直後> プレーボールがかかるとまずは体のケアを受ける。登板に向けて治療やマッサージ。終了時間は日によって異なるが、5回あたりまではロッカールームなどでゆっくりと過ごす。6回からブルペンに向かうことが毎日のルーティンになっている。
<ブルペン入り~登板> 基本的に甲子園での出番は9回表。肩を作り始める8回裏までは座って試合を見ながら、後輩たちに助言を送ることもある。ただ、ビハインドでも8回裏に味方が大逆転し、急きょ出番がやってくる展開もある。ほどんど時間はないが、焦ることはない。「たとえば4点入るとしても急に4点は入らない。だんだん入りそうになったら、その中で体を動かしていく」。
捕手を座らせ、投じるのは10球から13球とほぼ同じ。毎回決まったボールを、同じコースに投げ込む。「たぶんだけど、キャッチャーは何も言わずに(サインなしでも)10球捕れるんじゃないかな」。日々出番が訪れるリリーフ稼業。肩を作っても、出番がないこともある。極力肩を温存したくなるポジションだが、特に準備の「肝」だと感じているのが、ブルペンでの力の入れ方だ。
「たとえば60試合投げたら、それ以上に(多くの試合で)肩は作っているわけで。だからブルペンであまり力を入れず『できるだけ楽したいな』と思ったことはある。でも、それじゃうまくいかなかった。ブルペンでも、ある程度気持ちも力もしっかり入れて投げないと。大変だけど、そうしないとうまくいかない」
本番想定の約10球を投げ込み、いよいよリリーフカーへ。マウンドでの投球練習から徐々に気持ちを高め、勝利の六甲おろしを響かせるべく打者と対峙(たいじ)する。
登板51試合で31セーブ。後輩投手陣も引っ張り、心身両面でブルペンの柱となっている。リーグ優勝後はリフレッシュで出場選手登録を抹消されたが、19日に再登録。即日登板したDeNA戦でも、9回3人斬りで4-0快勝を締めた。10月15日に始まるCSファイナルステージの舞台は甲子園。ポストシーズンでも、不動のルーティンで勝利に力を尽くす。



