西武は10日、メジャーリーグへの挑戦を希望している今井達也投手(27)について、今オフのポスティングシステムを使っての移籍を容認すると発表した。

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西武はなぜ主力投手2人の同時流出を決断したか-。3年連続Bクラスの状況を冷静に見極めたから、ともいえる。今季ソフトバンクに8勝17敗、日本ハムに9勝15敗1分け。力負けも目立ち、首脳陣や選手も力量差を潔く認める。今井らが来季も西武で活躍しても、リーグ優勝は容易ではない。

今季は2人で4829球を投げ、935個のアウトを奪った。懸命に投げても、打線の援護なく敗れた試合もいくつかある。優勝へ戦うことはファンへの使命だ。一方で現実を冷静に見極めるのもまた、健全な球団運営だろう。

4年後の29年、埼玉・所沢が本拠地の西武ライオンズとして50周年を迎える。その2年後、西鉄時代からのライオンズとして創設80周年だ。節目の時期は間違いなく「必勝」を求められる。そのために20代前半世代の台頭は必須だ。球団は彼らの経験値アップにかけたといえる。

また、現実問題としてメジャー事情もある。現地報道で200億円とも予想される契約額となれば、西武への譲渡金は30億円以上に。来オフにロックアウト問題で移籍困難となれば、それもなくなる。総合的に判断しての「今オフ」だった。【西武担当=金子真仁】

◆今井達也(いまい・たつや)1998年(平10)5月9日、栃木・鹿沼市生まれ。作新学院3年夏の甲子園では最速152キロをマークし、54年ぶり2度目の全国制覇に貢献。16年ドラフト1位で西武入団。24、25年に開幕投手。24年最多奪三振。23年アジアチャンピオンシップ、25年強化試合(対オランダ)で日本代表。180センチ、80キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億8000万円。

▼西武から高橋に続き今井もポスティングシステムを使うことになった。同じ年に同一球団の複数選手が同制度を利用するのは、98年オフのケサダ、ペレス(ともに広島外野手)、20年オフの有原航平投手、西川遥輝外野手(ともに日本ハム=西川は不成立)に次いで3度目。投手2人は初めて。ポスティングシステム以外の移籍手段を含めると07年オフにロッテから小林雅英、薮田安彦の救援投手がそろってFA権により渡米したが、先発投手2人の例はない。

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