ロッテがサヨナラ勝ちで連敗を阻止した。1点差に詰め寄った9回裏、2死二、三塁から藤原恭大外野手(25)が右越えへの2点適時打。プロ入り後初のサヨナラ打で勝負を決めた。ドラフト2位左腕、毛利海大投手(22=明大)は7回2失点と粘投し、試合をつくった。
◇ ◇ ◇
毛利は、安堵(あんど)と悔しさが入り交じったような表情を浮かべた。「あのツーランに尽きる」。試合後、真っ先に口にしたのは、7回に喫した痛恨の1発への反省だった。それまでは6回0封で、新人らしからぬ堂々たる投球を見せていた。だが、7回。先頭打者への出塁を許し、迎えた場面で投じたツーシームが甘く浮いた。
相手はソフトバンク。小学生時代、「ホークスジュニア」に所属していた毛利にとって、柳田、周東、栗原といった面々は、テレビの向こう側で輝いていた憧れの存在だった。「ずっと見ていた選手が打席に立っている。不思議な感じだった」と明かす。だが、ひとたびマウンドに上がればルーキーという甘えは捨てていた。栗原ら主軸が放つオーラを肌で感じながらも、必死に腕を振り、真っ向勝負を挑んだ。
降板後、ベンチでタオルをかぶった。「泣いてません」と言った。1球で仕留められるプロの怖さを整理し、自分と向き合っていた。その執念は8回以降、ベンチの最前線で身を乗り出して仲間を鼓舞する姿へと変わった。「チームが勝ったことが本当に良かった」と、自身の2勝目は消えたが、チームの勝利をわが事のように喜んだ。この日の複雑な思いが、さらなる成長を遂げるための糧となりそうだ。【鳥谷越直子】



