プロ25年目の西武栗山巧外野手(42)が、今季初打席で初安打を放った。
3点を追う9回2死一、二塁に代打で登場。日本ハムのクローザー柳川の低め153キロを中前に転がした。プロ通算2151本目。23年連続での安打だ。
「たまたまじゃないですか。たまたま。たまたま」
繰り返した。そして話を広げた。
「でもそのたまたまが次の打席、またチャンスあったら、同じようなスイングができるように、っていう感じですね」
これを生み出すための準備こそが栗山の栗山たる神髄。午前11時ちょうど、誰よりも早くベンチにバットや野球用具をきれいに並べた。
スタメンではなかった。ベンチ裏でバットを振り始めたのは3回あたりから。「できるだけ、考えられるだけの最高の準備を、ということでやってました」と1打席にかけた。
試合展開はこの日も目まぐるしく変わる。
「ドキドキもするし、やっぱ硬くなるし。ゲーム展開によってね、バックアップの選手はいろいろ変わっていくので。これが1軍の、この緊張感こそが、っていう。最高やな、と思いながら準備してました」
直前の打席に立った岸は内野ゴロでアウト、試合終了…かと思ったらリクエストの末にセーフになった。栗山はその間も動じずに備え、審判が「セーフ」をコールした瞬間に打席へ動き出した。
ざわつく場内、盛り上がる場内。代打栗山の姿にわく、西武応援席。
「僕に声援なのか、岸のヘッドスライディングなのか。どっちで盛り上がってるのかあれでしたけど、とにかく集中するということだけで。でも、はい、聞こえてました」
この最高の舞台に、栗山巧は今季限りでピリオドを打つ。【金子真仁】



