異色の道を歩む阪神ラファエル・ドリス投手(38)が節目の記録に到達しようとしています。NPB通算100セーブまであと「2」。6年のブランクを経て昨年阪神に復帰。再び第一線に戻れた理由を代理人の団野村氏(68)に聞きました。【柏原誠】

   ◇   ◇   ◇

4月21日、今年最初の横浜スタジアム。試合前の阪神ベンチに珍しいゲストの姿があった。藤川球児監督と深い間柄の団野村氏だ。しばらくすると練習を終えたドリスが満面の笑みで近づいてきた。代理人と選手の関係だが、楽しそうに話し込む様子はまるで友人のよう。現状報告から雑談まで話題は尽きなかった。

紆余(うよ)曲折の野球人生を支えるのがカブス時代の13年に知り合った藤川監督であり、団氏であるのは広く知られたところ。団氏は「あんなにいい人はいませんよ。あと3年はやろうかって伝えたら『長いよ! 41歳だよ』って笑っていましたね」と先の会話の一端を明かしてくれた。

メジャーを経験し、日本でセーブ王を獲得。その後再びメジャーに戻ったが、24年に独立リーグの四国IL高知と契約して驚かせた。ドリスにはNPBに再び戻るという夢があった。

「高知で2年間、すごく苦労した。それがやっぱり彼の成長と、今の結果につながっているんじゃないですかね。目指すものがあったのでモチベーションはずっと持っていました。そこが彼のすごいところ。基本的に僕らの考えは年齢よりも、できるかできないか。23歳でもダメならダメだし、35歳でも良ければ良い。勝つためのパーツなわけですからね」

勝つためのパーツという言葉にピンとくるものがあった。2日前の19日、中日戦でドリスは休養でベンチを外れた岩崎に代わって抑え役を担った。今季2セーブ目でNPB通算98セーブとした。藤川監督はその試合後「プロフェッショナルな選手。若い選手も主力選手もああいう年齢になるまで(活躍するのに)必要になるヒント」と称賛していた。

コンディション調整、メンタル操縦、そして生命線である球の質を常に高いレベルに保ち続けている。四国IL高知から移籍が決まった際は周囲から懐疑的な声もあった。だが、ドリスは強力ブルペンの一員に加わり優勝に貢献。岩崎とともにリーダーシップを取り、指導役も担う。今年もセットアッパーとして開幕からフル回転。チーム全体を見たときに、有形無形のプラスをもたらすパーツになっている。球団の獲得判断は間違いではなかった。

100セーブまで残り2。複雑なキャリアを振り返れば、数字以上の価値がある。団氏はドリスの意気込みを代弁し、今後の活躍にも太鼓判を押した。

「藤川監督に拾ってもらった恩も感じていると思うんです。ドリスのいいところを出すのが監督の手腕。勝つために必要であれば、そういう使い方をしていくでしょう。心配なのはケガです。それがなければ、それこそ本当につぶれるまで投げればいいんじゃないですか。チームの役に立てるなら、それが一番いい」

石井大智が故障、及川雅貴が不調で不在のブルペン。総力戦になりそうなシーズンで、38歳に再びスポットライトが当たっている。

【プロ野球スコア速報】はこちら>>