21年ぶり6度目出場の北九州市大(九州6大学)が2回戦で涙をのんだ。

最後の春を迎えた最速146キロ左腕、宮原颯大投手(4年=必由館)は並々ならぬ思いでマウンドに立っていた。1-0で迎えた3回2死から先発の大石煌心投手(2年=別府鶴見丘)が捕まり、2ラン含む4連打で4失点降板。2番手で宮原が告げられた。「大石のおかげで全国まで来られたので、今日くらいは助けたいと思いました」と一ゴロに仕留めた。さらに、4回から4者連続三振。5回に1点を失うも、計3回1/3を5奪三振1失点でバトンをつないだ。

2年秋にリーグ戦デビューを飾った宮原。入学当初から肩が本調子ではなく、登板を回避していた。その間も山本浩二監督(47)は「いつか投げられる日がくるから」と常に気にかけてくれた。荷物を左手で持てば「左腕を大事にしろよ」と声をかけられた。「誰も気にしないような選手なのに、そんな自分のことも監督だけは見ていてくれて」と宮原。なんとしても、日本一の景色を見せてあげたかった。

この春で引退する選手もいる中で、宮原は秋まで続ける。「情けない姿ばっかりしか見せられなかったので、最後くらいはかっこいい背中を見せて去りたいなと思っています」ときっぱり。「もう1度、全国に連れてきて、今度こそ結果で恩返ししたいです」。秋の日本一に向けて、4年生左腕が進み出した。