<広島2-1日本ハム>◇18日◇広島◇4回戦

 日本ハム逆輸入ルーキー多田野が広島戦で7回2失点と好投したが、打線の援護に恵まれず、日本で初黒星を喫した。チームも交流戦首位浮上のチャンスを逃し3位に後退。交流戦連覇へは21日からの阪神戦(甲子園)で連勝するしかなくなった。

 ラストシーンが結末を象徴していた。三塁側ベンチで多田野は誰よりも最後まで腰を下ろし、プロ初勝利の前田健がはしゃぐ姿を見つめていた。「いつかは来ること」。1回、無死一、三塁から、今季5度目のボークで先制点を献上。5回には天谷に痛恨の1発を浴び、3Aバファロー時代の恩師・広島ブラウン監督の前で恩返しの白星はならなかった。「蒸し暑さもあってヘバった」。プロデビューから無傷の3連勝、チームも6戦全勝だった「不敗神話」も途切れた。

 連覇を狙う交流戦V争いから1歩後退したが、5回にはインディアンス時代にヤンキースの強打者A・ロドリゲスを打ち取った超スローボールを披露。遅すぎて計測不能だった。

 梨田監督は「7回2失点だから御の字」と褒めたが、多田野は「失点はミス」と悔やんだ。不快指数満点の一夜が再スタートへの序章になる。【高山通史】