オレ竜の守護神・岩瀬仁紀投手(34)が「生涯中日」を宣言した。23日、岐阜県の下呂警察署で1日警察署長を務め、24日に行われる契約更改交渉について言及。4年を基本線に複数年契約を提示する球団側の方針に、応じる考えを示した。FA権を取得した昨オフは長期契約の申し出を断ったが、現役引退まで移籍を封印する。

 岩瀬の言葉に迷いはなかった。今日予定されている契約更改交渉。球団側は4年を基本線とした複数年契約を提示する方針だが、それについて「そう言っていただければありがたいこと」と応じる構えを見せた。さらに中日で現役を終えるのかという質問に「そういうことです。僕自身がどこかに行くということはない」と言い切った。落合監督が「代役はいない」と評価する鉄腕ストッパーが“生涯中日”を宣言した。

 残留か、移籍か。岩瀬にとっては野球人生をかけた2年越しの決断だった。FA権を取得した昨年のオフは球団に慰留されて4年の複数年契約を提示されたが、権利を行使せず単年を選択した。今オフ移籍の可能性を残すためだった。開幕後も結論を保留していた。そんな岩瀬に“生涯中日”を決意させたのが今年8月の北京五輪だったという。

 「できればこういうことは言いたくないが、決めたのはオリンピックの時です。普段自分がやっている調整ができないと、いかにパフォーマンスが落ちるかを実感した。体が1番大事。中日は環境が自分に合っていると思ったので」

 今季、背中の張りなど体調が十分ではなかった岩瀬にとって普段通りの調整ができない北京での戦いは想像以上に苦しいものだった。結果は4試合に登板して0勝3敗、防御率11・57。いかに自分に適した環境が大事か、中日の環境がどれほど適しているかを再認識したという。

 年俸に関しては柔軟に対応する構えだ。今季は現役投手最高の4億3000万円。51試合で3勝3敗36セーブ、防御率2・94の成績だが「(成績に)満足はしていません。あとは球団が僕にどういう評価をしてくれるか。トップとかにはこだわっていません」と話した。4年契約を結べば井端、荒木、森野の主力3人が結んだ5年に次ぐ大型契約。竜党にとってうれしいクリスマスプレゼントとなりそうだ。【鈴木忠平】

 [2008年12月24日11時2分

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