<日本ハム7-6ロッテ>◇12日◇札幌ドーム

 日本ハムのルーキー大野奨太(22)が、球界3年ぶりの新人満塁弾を放った。逆転を許した直後の4回裏1死満塁。「初球から思い切りいこう」。ロッテ小野の高めに入ってきた135キロの沈む球をジャストミート。大勢のファンが待つ左翼スタンドに吸い込まれた瞬間、大歓声が巻き起こった。

 プロ2号は、06年炭谷銀仁朗(西武)以来の新人のグランドスラム。梨田監督は「飛ばす力は持っているからね」とニンマリ。過去の達成者が多くないことを聞かされた大野は「光栄なことですけど、初めて打ったときの方が興奮した」と冷静に振り返った。

 「守って打てるのが一番」がポリシーの捕手だが、乱調の先発スウィーニーを苦心のリード。9回は同点に追い付かれ「(武田)久さんをリードできなかった」と反省の弁を並べた。「基本チャンスに弱いんで」と自虐的に話し、人生初という満塁弾も喜びは半減だった。

 この日は、東洋大からロッテに入団した右腕上野とプロ初対決。昨秋のドラフト指名直後に並んで会見を行ったバッテリーで、心待ちにしていた対決は遊ゴロに打ち取られた。「燃えましたね。次は借りを返しますよ」。着々とルーキーが球史に足跡を残している。【村上秀明】

 [2009年7月13日9時45分

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