広島が変則助っ人右腕の獲得に乗り出したことが24日、分かった。米大リーグ・ドジャース傘下の3Aで今季13勝を挙げたジャンカルロ・アルバラード投手(31)で、今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)プエルトリコ代表にも選ばれた。大きくインステップして投げ込んでくる変則的なフォームが特徴で、獲得に成功すれば、右打者にはやっかいな相手になりそうだ。

 カープが、変則助っ人右腕に狙いを定めた。24日、アルバラード獲得を目指して身分照会を行った。今後、契約に向けて本格的な交渉に入ることになる。

 同選手は今季、ドジャース傘下の3Aアルバカーキで27試合に登板した。主に先発投手として活躍し、13勝(10敗)、防御率3・49の成績を残した。メジャー昇格の実績はないが、今春のWBCではプエルトリコ代表として2試合に登板。現在はフリーエージェントとなっている。

 広島が着目したのは、その変則的なピッチングフォームだ。やや腕を下げた位置から、極端に三塁側にインステップして投げ込むため、右打者にはベースを横切るクロスファイアのボールとなって向かってくる。しかも球離れが遅く、195センチの長身もあいまって打ちづらいタイプだ。球団首脳は「右打者は特にイヤだと思う。ボールも打者の前で放す感じなので、自分の背中の方から投げてくるようで打ちにくいんじゃないか」と期待している。ストレートは140キロ台半ばだが、そのほとんどがカットボールなどで微妙に変化する。

 広島の外国人投手は実績のあるルイス、シュルツがおり、アルバラードが加わっても常時1軍で出場できる保証はない。しかし、球団では先発だけでなく、中継ぎ、ロングリリーフなど幅広く使えると判断している。助っ人投手が3人体制になった場合や、ルイスやシュルツが戦線離脱したケースなども想定した補強で、野村新監督をバックアップする。

 [2009年11月25日11時16分

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