バンクーバー五輪で金メダルを量産する韓国勢のように、ロッテ金泰均内野手(27)のバットが20日、輝きを見せた。初回の第1打席、渡辺俊の内角低めスライダーを豪快にすくい上げた。高々と上がりながら、強烈な逆風にも負けず、打球は左翼席へ。悠々とダイヤモンドを1周する姿が頼もしかった。金の紅白戦第1号は、今後の本塁打量産を期待させるものだった。

 渡辺俊のタイミングを外すスライダーにもついていった。「直球だとか変化球だとかヤマを張るタイプではない。タイミングで打っている」と、対応能力の高さを見せた。試験的に内角スライダーを投げた渡辺俊も「うまいですね。そんなに甘い球ではなかったんだけど」と脱帽した。

 約1カ月のキャンプ生活でチームにもなじんできている。来日時には韓国ラーメンをナインに手みやげで持参し配ったが、頼れる主砲への期待感は、信頼感とともに高まりつつある。西村監督も「今の段階で、ああいう打撃をしてくれるのは大きい。コースなりに打てるのがテギュンのすごいところだね」と、新4番候補が見せた実力の片りんに、ほおを緩めた。【竹内智信】

 [2010年2月21日8時39分

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