よっ、待ってました!

 阪神城島健司捕手(33)が、21日の紅白戦に「4番DH」で実戦デビューする。20日、高知・安芸での2次キャンプがスタート。晴れた空と満員のファンに誘われて、屋外フリー打撃でド迫力の打球を連発。49スイングで12本の柵越え、しかも140メートル弾を含めてレフト場外に3発もぶち込んだ。当初は23日の紅白戦3試合目に出場する方向だったが、前倒しで出場が決定。いよいよ虎のジョーが、実戦の打席に立つ。

 いよいよ城島が、実戦デビューを迎える。21日の紅白戦に後攻の白組「4番DH」として出場することが決まった。紅組の先発は07年新人王の上園。WBC日本代表の4番も務めたジョーが、ついに実戦の打席に立つ。

 「飛び入りデビュー」だ。当初は1、2軍のサバイバルマッチとなる最初の2試合は出場を見送る方向だった。ただ首脳陣も天候に恵まれれば、スクランブル発進を視野に入れていた。この日の紅白戦はブラゼル、新井ら主力クラスも出場。投手も安芸組が両軍に振り分けられており、城島が飛び入りで打席に立っても不思議はない状況だった。

 この日はド迫力の打球を連発した。金本と競演した屋外フリー打撃。左の打撃投手には22スイングで柵越え1本。しかし晴れ渡った空と約1万人のファンに「晴れて気分がよくなって振ってしまった。お客がいっぱいいたから思わず振ってしまった」。

 右の打撃投手相手にはパワー全開。27振で柵越え11本を数えた。8振目に左翼後方の防球ネットを越えて森林に打ち込む140メートル弾、ネット越えの場外弾は3発マーク。20振目からは移籍後初の3連発、左翼ポール最上部にぶつける圧巻の放物線も描いた。最後の27振目もきっちり一発締め。ケージを出ると満員のスタンドから拍手を贈られた。

 沖縄・宜野座キャンプではブルペンに通って投手陣との信頼関係構築を重視してきた。打撃面はフォーム固めとミート中心のスタイルを続けた。だが実戦デビューを翌日に控えて、スラッガー城島が顔を見せた。

 ファンを大喜びさせたフリー打撃にも城島は「いい傾向じゃない。天候で気分が変わるようでは、人間ができていない。明日は謙虚にいきます」と笑った。まだ使用していない試合用バットの解禁については「打席に立った時かなと思います」と話している。21日、スタンド満員が予想される。白いバットを握ったジョーが風格たっぷりで打席に立つ-。ファンの前でその姿を披露する。

 [2010年2月21日11時24分

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