阪神城島健司捕手(33)が「甲子園1号」をぶっ放した。2日、移籍後初めて「聖地」で練習。フリー打撃では49スイング中3本のさく越えをすべて左方向にたたき込んだ。3日の日本ハム戦(札幌)でオープンに初出場し、「4番捕手」として4、5イニングマスクをかぶる。試合用バットお披露目の準備も整えて、いよいよ虎のジョーが本気モードに入る。

 記念の「甲子園1号」は、23スイング目に飛び出した。城島が、金本と並んだフリー打撃。マスコットバットを振り切って、弾丸ライナーで左翼にぶち込んだ。29振目には滞空時間の長いアーチ、40振目は左中間への一発。誰もいないスタンドに打球が跳ね返る「カコーン」という音が3度、青空の甲子園に響いた。

 城島

 前はツタがあったけど、なくなったね。入り口でビジターの方にいきそうになったよ。ビジターしか知らんけんね。鳥谷が一緒にいたから(ホーム側に)連れて行ってもらった。ロッカーは普通というか前のロッカー知らんけんね。

 ソフトバンク時代の05年6月2日以来約5年ぶりの甲子園。全身でその広さを確かめた。打撃の後は遊撃でノックを受け、さらに桜井のグラブを借りて右翼に入る。最初は続けてボールをこぼした。「桜井がライトをヤジるけん、『グラブが悪いんだ』といってやった。野球選手として言ってはいけないことをいった。もの(道具)のせいにしたね」。必死で打球を追うハッスルプレーで甲子園独特の浜風と右中間の深さを確認。フェンスに体当たりして堅さ、クッションボールの角度も確かめた。「何も確かめてない。ひまだから遊んだだけ」と言ったが、グラウンドの司令塔として打撃と守備でホームスタジアムをしっかり把握した。

 「甲子園1号」で景気をつけて、3日はオープン戦デビューを果たす。4、5イニングの出場で先発フォッサムと組む。真弓監督は城島の打順について「4番か」と質問されて「たぶんそうなるかな」と話した。

 日本ハム戦では試合用バットを解禁する。重さ920グラムで材質はホワイトアッシュ。グリップに入念なテーピングを施す相棒だ。沖縄・宜野座キャンプ中に日本用を手にとった際、小さな違いに気がついた。バット中央付近に刻印されるマークの位置がメジャー用よりもバットの先端に近かった。すぐ担当者に質問して、日米のルールの違いによるためと納得。繊細に気を配りながら、豪快なスイングを見せつける構えだ。

 城島は、試合用バットについて「あ、やばい!

 忘れた…

 ってことはないと思います。まあ忘れていたら誰かに借りるかな」と豪快に笑った。2月21日の紅白戦ではマスコットバットで衝撃の初スイング弾を放っている。ついに虎のジョーが試合モードでグラウンドに立つ。

 [2010年3月3日13時11分

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